60AM099第60回 作業療法士国家試験 過去問

自閉スペクトラム症〈自閉症スペクトラム障害〉児にみられる特徴はどれか。

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正解: 1

正答

1.表情変化に乏しい。

この問題のポイント

自閉スペクトラム症(ASD)の核心的な特徴は、社会的コミュニケーションの困難と行動の反復性・限界性にある。その中で、非言語的コミュニケーション(特に表情の変化)の欠如は、診断に重要な指標となる。作業療法士が臨床で観察する際、子どもの表情の乏しさは、対人関係の形成に支障をきたすサインとして認識される。

解説

自閉スペクトラム症の中核症状は、①社会的コミュニケーションの困難(表情・視線・共感の欠如)と、②行動・興味の限局(反復的・規則的な行動)である。この中で「表情変化に乏しい」というのは、非言語的コミュニケーションの障害として顕在化しており、ASD児は表情の変化が少なく、感情の伝達が困難であることが特徴的である。例えば、喜びや驚きを示す表情がほとんどなく、視線の回避や固定された姿勢も見られる。これは、社会的相互作用を困難にし、他者との関わりを阻害する要因となる。

一方、共感性が豊か(選択肢2)や、物語を好む(選択肢3)といったのは、ASDの典型的な反対傾向であり、実際には他者の気持ちを読み取るのが難しい(心の理論の欠如)ため、共感反応が乏しい。また、物語より図鑑や規則を好む(選択肢3)こと、感覚的・反復的な遊び(選択肢4)を好むこと、暗黙のルールの理解が困難(選択肢5)であることも、ASDの特徴として確認されている。

選択肢の確認

1.表情変化に乏しい。:正しい。非言語的コミュニケーションの障害が明確に現れる。
2.共感性が豊かである。:誤り。共感の欠如はASDの典型的な特徴。
3.図鑑を見るより物語を好む。:誤り。ASDでは図鑑や規則を好む傾向がある。
4.想像力を必要とする遊びを好む。:誤り。ごっこ遊びが乏しく、感覚的・反復的な遊びが好まれる。
5.暗黙のルールの理解が良好である。:誤り。社会的文脈の理解が困難である。

覚えるポイント

ASDの「表情の乏しさ」は、対人関係の築き直しに向けた作業療法介入の最初の観察ポイントとなる。表情の変化が少ないことから、非言語的コミュニケーションの支援(視線の訓練、感情表現の練習)が早期から重要である。

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