119F36|第119回 医師国家試験 過去問
外科系整形外科外傷・救急整形
73歳の女性。左手関節痛を主訴に来院した。2時間前に自宅の玄関で転倒し、左手をついた際に痛みが出現した。左手関節に腫脹と圧痛を認める。左母指と示指の掌側にしびれと知覚鈍麻を認める。左手関節のX線写真を別に示す。 障害されている神経はどれか。

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正解: d
正解
d 正中神経
判断のポイント
この問題では、知覚障害の分布が最も重要です。
- 母指と示指の掌側
- 手関節外傷後
- しびれと知覚鈍麻
この組合せからは、まず正中神経障害を考えます。
手関節周囲の骨折や腫脹で、手根管内を通る正中神経が圧迫されることがあります。
なぜ正中神経なのか
正中神経は、手掌側では主に
- 母指
- 示指
- 中指
- 環指橈側
の知覚に関与します。
本症例では、母指と示指の掌側に知覚障害があるため、正中神経支配領域と一致します。
各選択肢の検討
a 筋皮神経
誤りです。
筋皮神経は上腕の屈筋群を支配し、感覚は主に前腕外側です。手指掌側の知覚障害は説明できません。
b 後骨間神経
誤りです。
後骨間神経は橈骨神経深枝で、ほぼ運動枝です。感覚障害を起こしにくいため、本症例とは合いません。
c 尺骨神経
誤りです。
尺骨神経の感覚障害は、主に小指と環指尺側に出ます。母指、示指の掌側障害とは一致しません。
d 正中神経
正しいです。
手関節外傷後に、母指と示指の掌側のしびれ、知覚鈍麻があれば正中神経障害を考えます。
e 橈骨神経
誤りです。
橈骨神経の感覚障害は主に手背側橈側に出ます。掌側の母指、示指障害は典型ではありません。
ひっかけポイント
この問題では、骨折の種類を細かく当てることよりも、知覚障害の分布から神経を選べるかが重要です。
特に後骨間神経は運動枝で感覚障害をほぼ出さないことはよく問われます。
まとめ
左母指と示指の掌側のしびれと知覚鈍麻は、正中神経障害を示します。
したがって正解は d 正中神経 です。