117E42|第117回 医師国家試験 過去問
総合診療・救急・ケア緩和ケア・在宅医療緩和ケア総論・全人的苦痛
患者は主治医に「先生、何も悪いことはしていないのにどうして私ががんにならなければならないのでしょう・・・」と訴えた。 このときの医師の応答として適切なのはどれか。
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正解: d
正解
d 視線を合わせて、次の言葉を待つ。
この場面で大切なこと
患者の「どうして私が」という言葉は、原因を科学的に知りたいというより、不安、怒り、悲しみ、やり場のない苦痛の表出であることが多いです。
このような場面で医師に求められるのは、すぐに説明や説得を始めることではなく、まず感情を受け止める姿勢を示すことです。
なぜ d が適切か
視線を合わせ、沈黙を保ちながら患者の次の言葉を待つことは、
「その気持ちを受け止めています」
というメッセージになります。
緩和ケアや悪い知らせを伝えた後の面接では、沈黙も重要な応答です。患者がさらに語れるように待つことが、共感的対応の基本です。
他の選択肢が不適切な理由
a 話題を逸らす
患者の苦痛の表出を遮る対応であり、不安や孤立感を強めます。
b そう考える原因を問い詰める
患者の感情表出に対して詰問する形となり、支持的ではありません。
c 日本人の胃癌の罹患率を伝える
統計情報はこの場面の主訴に対する返答になっていません。患者が求めているのは数字ではなく、気持ちへの応答です。
e その考えの善し悪しの評価を伝える
患者の感じ方を評価、修正しようとするのは不適切です。まずは評価せずに受け止めることが優先です。
国試での判断軸
この種の問題では、まず
感情の表出に対して、説明より先に受容と共感を示しているか
を確認します。
- 話題転換
- 説得
- 統計説明
- 善悪の評価
は不適切になりやすく、正解は
待つ、うなずく、視線を合わせる、感情を言語化して返す
といった対応になります。
覚えるポイント
患者の実存的苦痛に対しては、まず共感的に受け止めることが基本です。
この場面では、視線を合わせて、次の言葉を待つのが適切です。