116E46|第116回 医師国家試験 過去問
社会医学・医療システム医療倫理・医療安全プロフェッショナリズム・法令
抗凝固薬について説明したところ、同席していた妻が「この人、薬はあまり飲まないんですよ」と申し出た。本人に確認すると「1か月分処方されても半分くらいの薬が余ってしまう」という。 服薬アドヒアランスを低下させる要因を述べた患者の言動で薬の一包化が有効なのはどれか。
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正解: d
正解
d 「飲む薬が沢山あって、どれを飲んだか分からなくなるんです」
一包化が有効な場面
薬の一包化は、複数の薬を内服していて管理が複雑な患者に有効です。
特に、
- 薬の数が多い
- いつ何を飲むか分からなくなる
- 飲み忘れや重複内服が起こる
といった状況で効果を発揮します。
この患者の発言の中で、一包化が最も直接的に役立つのは、薬剤数の多さと管理困難を訴えている d です。
なぜ d が適切か
「どれを飲んだか分からなくなる」というのは、内服手順そのものの複雑さが問題です。
一包化によって、服用タイミングごとに薬がまとまれば、管理しやすくなり、アドヒアランス改善が期待できます。
他の選択肢が示す問題点
a 「朝飯は食べないことが多いから、つい飲まないんです」
食事習慣と服薬タイミングの不一致が問題です。
対応としては、食前、食後にこだわらない服薬指導の見直しや、生活リズムに合わせた処方調整が重要です。
b 「知り合いが血圧の薬を飲んで脳出血になったから怖いです」
副作用への不安や誤解が問題です。
必要なのは説明と不安の軽減であり、一包化では解決しません。
c 「薬代が高いから、なるべく飲まないで長持ちさせてるんです」
経済的負担が原因です。
後発医薬品の活用や処方内容の見直し、社会的支援の検討が必要です。
e 「年取ったら血圧は下げすぎないほうが良いって新聞で読んだんです」
本人の価値観や情報の誤解が背景です。
必要なのは正確な情報提供と共有意思決定です。
ひっかけポイント
服薬しない理由はすべてアドヒアランス低下の原因ですが、一包化で解決できる原因は限られます。
一包化が効くのは、複雑で管理しにくいというタイプの問題です。
覚えるポイント
一包化は、薬が多くて管理が難しい患者に有効です。
不安、費用、誤解、生活習慣の問題には、それぞれ別の介入が必要です。