116D19第116回 医師国家試験 過去問

内科系呼吸器COPD・喘息・気道疾患

75歳の男性。COPDを疑う経過(長期喫煙歴、慢性咳痰、労作時息切れ)、1週間前からの咽喉頭痛と発熱で呼吸困難が増悪。黄色痰・激しい咳、口すぼめ呼吸あり。来院時SpO2 87%(RA)。 この患者の初期治療として誤っているのはどれか。

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正解: c

正解

c 中枢性鎮咳薬の投与

解説

この症例は、感染を契機としたCOPD急性増悪が考えられます。
初期治療では、

  • 酸素療法
  • 短時間作用型気管支拡張薬
  • 全身性ステロイド
  • 必要に応じた抗菌薬

が基本になります。

一方、中枢性鎮咳薬は咳反射を抑えてしまうため、痰の喀出を妨げるうえ、COPDでは呼吸抑制や CO2 貯留を悪化させるおそれがあります。したがって不適切です。

各選択肢の検討

  • a 酸素療法
    誤りではありません。低酸素血症があるため必要です。COPDでは過剰投与を避け、一般に SpO2 88〜92%程度を目標に調整します。

  • b 抗菌薬の投与
    誤りではありません。発熱と黄色痰があり、感染増悪が疑われるため適応があります。

  • c 中枢性鎮咳薬の投与
    正しいです。初期治療としては不適切です。

  • d 副腎皮質ステロイドの投与
    誤りではありません。気道炎症を抑え、急性増悪からの回復を早めます。

  • e 短時間作用型β2刺激薬の吸入
    誤りではありません。気管支拡張薬として初期治療の基本です。

ひっかけポイント

  • 激しい咳があると「咳を止めたい」と考えがちですが、COPD急性増悪ではまず痰を出しやすくすることが大切です。
  • 国試では、鎮咳薬で咳を止める発想は危険と覚えておくと対応しやすいです。

覚えるポイント

  • COPD急性増悪の初期治療は、酸素、気管支拡張薬、ステロイド、必要なら抗菌薬です。
  • 中枢性鎮咳薬は基本的に不適切です。

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