33PM107|第33回 柔道整復師国家試験 過去問
59歳の女性。自宅でテレビを見ていて大きくあくびをしたところ、口を閉じることができなくなったため来所した。下顎歯列は上顎歯列の前方に偏位している。耳前方に陥凹を触れ、頬は扁平となっている。整復で誤っているのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、顎関節前方脱臼の整復法について、誤っている記述を選びます。
大きなあくびの後に口を閉じられない、下顎歯列が上顎歯列の前方に偏位する、耳前方に陥凹を触れるという所見から、顎関節前方脱臼を考えます。
解説
顎関節前方脱臼では、下顎頭が関節結節を越えて前方に転位し、閉口できなくなります。整復では咀嚼筋の緊張をゆるめ、下顎頭を下方へ誘導してから後方へ戻すことが基本です。
ヒポクラテス法では、術者の母指を臼歯部に置き、下顎を下方へ押し下げた後、後方へ誘導します。咬まれないように母指の保護が必要です。
患者に発声させると、口腔周囲や咀嚼筋の緊張がゆるみ、整復しやすくなることがあります。したがって「発声させないようにすると整復が容易になる」は誤りです。
整復で見るポイント
顎関節脱臼の整復では、咀嚼筋の緊張を下げること、術者の手指を保護すること、整復後の再脱臼予防を行うことが重要です。
選択肢の確認
1.最初の1回で整復しないと整復が困難になる。
記述としては正しい。
整復操作を何度も繰り返すと、疼痛や筋緊張が増して整復が困難になることがあります。初回操作で落ち着いて行うことが重要です。
2.ヒポクラテス法では患者の頭部を前屈させる。
記述としては正しい。
ヒポクラテス法では頭部を安定させ、前屈位をとらせて下顎を操作しやすくします。頭部の固定と術者の手指保護が大切です。
3.患者に発声させないようにすると整復が容易になる。
正答。記述としては誤り。
発声を促すことで筋緊張がゆるみ、整復しやすくなることがあります。発声させないようにすることが整復を容易にする、という記述は不適切です。
4.ボルカース法では術者は手指消毒をして滅菌ガーゼを用いる。
記述としては正しい。
口腔内に指を入れて操作する整復法では、衛生面への配慮が必要です。手指消毒を行い、滅菌ガーゼなどで手指を保護して行います。
覚えるポイント
- 顎関節前方脱臼では、口を閉じられず下顎が前方へ偏位します。
- 整復では咀嚼筋の緊張をゆるめることが重要です。
- 患者に発声させると整復しやすくなることがあります。
- この問題は「誤っているのはどれか」なので、記述として誤っている3が正答です。