118C030|第118回 歯科医師国家試験 過去問
19 歳の女性。上顎前歯の突出感を主訴として来院した。アーチレングスディス クレパンシーは上顎 +1 mm、下顎 +3 mm である。診断の結果、抜歯を伴うマル チブラケット装置を用いた矯正歯科治療を行うこととした。初診時の顔面写真(別 冊No. 4A)、口腔内写真(別冊No. 4B)及びエックス線画像(別冊No. 4C)を別に示 す。セファロ分析の結果を図に示す。 抜歯部位(智歯を除く)と併用する矯正装置の組合せで正しいのはどれか。 1 つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
抜歯部位は叢生量だけでなく、前歯突出、臼歯関係、垂直的骨格、必要な固定源を総合して決めます。正答は選択肢eです。
解説
アーチレングスディスクレパンシーが大きな不足を示さなくても、口元や上顎前歯の突出を改善するために抜歯空隙を利用することがあります。一般に上顎第一小臼歯抜去は前歯後退量を確保しやすく、下顎第二小臼歯抜去は臼歯部の移動量や大臼歯関係の調整に利用されます。
ハイプルヘッドギアは上顎大臼歯の固定を強化し、遠心・上方方向の力で大臼歯の挺出を抑えます。ハイアングル傾向や垂直的コントロールが必要な症例で選択されます。
画像の確認
実画像では口唇の突出を伴う側貌、ほぼ歯列内に収まる上下歯列、前歯の唇側傾斜を示す口腔内像とセファロ分析が示されている。上顎第一小臼歯・下顎第二小臼歯の抜歯空隙を前歯後退に用い、上顎大臼歯の固定と垂直的制御にハイプルヘッドギアを併用する選択肢eがこの所見に合う。
選択肢の確認
a.4 4 チンキャップ
誤り。チンキャップは成長期の下顎前突に対して下顎成長方向のコントロールを目的に用いる装置で、本症例の上顎前歯突出への固定源として適切ではありません。
b.4 4 急速拡大装置
誤り。急速拡大装置は上顎歯列弓の著しい狭窄や交叉咬合で上顎正中口蓋縫合を拡大する装置です。前歯後退の固定源にはなりません。
c.5 5 サービカルヘッドギア
誤り。サービカルヘッドギアは上顎大臼歯を遠心・下方へ牽引し、挺出を伴いやすいため、垂直的コントロールが必要な症例には不向きです。
d.4 4 上顎前方牽引装置 4 4
誤り。上顎前方牽引装置は上顎劣成長を伴う骨格性Ⅲ級の成長期患者に用います。上顎前歯突出の改善目的とは反対です。
e.4 4 ハイプルヘッドギア 5 5
正しい。上顎第一小臼歯と下顎第二小臼歯の抜去で前歯後退と臼歯関係を調整し、ハイプルヘッドギアで上顎大臼歯の固定と垂直的コントロールを行います。
覚えるポイント
- 抜歯部位は前歯後退量と臼歯関係から決めます。
- ハイプルヘッドギアは上顎大臼歯の挺出を抑えます。
- サービカルヘッドギアは大臼歯を下方へ牽引しやすい装置です。