117D067第117回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科矯正学

5 歳の男児。前歯の歯並びが悪いことを主訴として来院した。口唇裂と口蓋裂に 対して手術の既往がある。初診時の口腔内写真(別冊No. 20A)とエックス線画像 (別冊No. 20B)を別に示す。セファロ分析の結果を図に示す。 適切な矯正装置はどれか。2 つ選べ。

117D067の問題画像
2つ選択
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正解: a・e

正答

a、e

この問題のポイント

口腔内写真では上顎歯列弓の狭窄と反対咬合を認め、口唇口蓋裂術後にみられる上顎の横的・前後的劣成長への対応が必要です。

解説

口唇口蓋裂術後では、顎裂と手術瘢痕の影響により上顎歯列弓が狭窄し、上顎骨の前方成長も不足しやすくなります。写真では上顎歯列の狭窄と前歯部反対咬合がみられるため、横方向と前後方向の双方を改善します。

拡大床で上顎歯列弓を側方へ拡大し、上顎前方牽引装置で成長期の上顎骨を前方へ誘導します。治療時期は顎裂部骨移植や永久歯萌出も見据えて、多職種で調整します。

画像の確認

実画像では、口唇口蓋裂術後の上顎歯列が狭窄し、前歯部反対咬合と上顎劣成長がみられる。上顎歯列を拡大する拡大床と、上顎骨を前方へ牽引する装置が必要な形態であり、正答a・eを支える。

選択肢の確認

a.拡大床
正しい。拡大床は狭窄した上顎歯列弓を側方拡大し、臼歯部交叉咬合と排列スペースを改善します。

b.咬合挙上板
誤り。咬合挙上板は過蓋咬合の解除などに用いますが、上顎狭窄と上顎劣成長への主装置ではありません。

c.タングクリブ
誤り。タングクリブは舌突出癖による開咬などに用い、本症例の病態とは一致しません。

d.アクチバトール
誤り。アクチバトールは主に下顎の成長誘導や顎位改善に用いる機能的矯正装置です。

e.上顎前方牽引装置
正しい。上顎前方牽引装置は成長期の上顎劣成長を改善し、骨格性反対咬合を治療します。

覚えるポイント

  • 口唇口蓋裂術後では上顎狭窄と上顎劣成長を評価する。
  • 横的狭窄には拡大床。
  • 前後的上顎劣成長には上顎前方牽引装置。

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