116C089|第116回 歯科医師国家試験 過去問
9 歳の女児。右側顎関節雑音を主訴として来院した。1 年前から右側顎関節部の 開口時のクリック音を自覚するようになったという。咀嚼筋に圧痛はなく、最大開 口量は45 mm である。初診時の口腔内写真(別冊No. 37A)と両側顎関節部MRI (別冊No. 37B)を別に示す。 まず行うのはどれか。1 つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
無痛性クリックがあり開口量が保たれている顎関節円板前方転位・復位型では、まず病態説明とセルフケアを行います。
解説
1年間の開口時クリックがありますが、咀嚼筋圧痛はなく、最大開口量45 mmで機能制限も疼痛もありません。MRIでは閉口時に円板が前方に位置し、開口時に復位する所見が考えられます。
顎関節症の初期対応は、硬い食品や大開口の回避、片側咀嚼の是正、悪習癖の認識、温罨法などの保存的セルフケアです。小児では成長への影響を考え、不可逆的な咬合調整を避けます。
画像の確認
実画像では、左右顎関節MRIの比較で右側は閉口時に関節円板が下顎頭前方へ位置し、開口時には下顎頭上へ復位する関係がみえる。口腔内に緊急処置を要する所見はなく、本文でも無痛で45 mm開口できるため、不可逆的な咬合調整や薬物療法ではなく、まず過大開口などを避けるセルフケアを指導する。
選択肢の確認
a.咬合調整
誤り。咬合調整は不可逆的で、無痛性クリックだけを理由にまず行う処置ではありません。
b.矯正歯科治療
誤り。矯正歯科治療は顎関節クリックの第一選択治療ではありません。
c.NSAIDs の投与
誤り。疼痛がないためNSAIDs投与の適応はありません。
d.スプリント療法
誤り。スプリント療法を検討する場合もありますが、症状が軽く機能障害がない本症例ではまずセルフケアです。
e.セルフケアの指導
正答。まず行います。病態説明と生活指導を行い、過大な顎関節負荷を避けて経過をみます。
覚えるポイント
- 無痛性クリックのみなら保存的対応が基本。
- まず病態説明とセルフケア。
- 小児に不可逆的咬合調整を安易に行わない。