116B090第116回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科矯正学

21 歳の女性。下顎の前突感と前歯の咬み合わせが悪いことを主訴として来院し た。初診時の顔面写真(別冊No. 39A)、口腔内写真(別冊No. 39B)及びエックス 線画像(別冊No. 39C)を別に示す。セファロ分析の結果を図に示す。 適切な治療方針はどれか。1 つ選べ。

116B090の問題画像
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正解: c

正答

c

この問題のポイント

外科的矯正治療では、上下顎の骨格的不調和を評価し、術前矯正でデンタルコンペンセーションを除去してから必要な骨切り術を選択します。

解説

顔貌・口腔内所見では下顎前突と反対咬合を認め、セファロ分析からは下顎だけでなく上顎の位置にも骨格的不調和があるため、下顎単独手術では十分な顔貌・咬合改善が得にくい症例です。したがって、上顎にはLe FortⅠ型骨切り術、下顎には下顎枝矢状分割術を行う二顎手術を選びます。術前矯正では上顎前歯の配列とデコンペンセーションに必要な空隙を確保するため、上顎両側第一小臼歯に相当する4 4の抜歯を組み合わせます。

治療選択のポイント
手術法は、上顎劣成長の有無、下顎過成長の程度、咬合平面、顔面非対称、前歯の歯軸補償を総合して決めます。

画像の確認

実画像では、側貌で中顔面の後退感とオトガイの前方突出があり、口腔内では前歯部反対咬合と上顎歯列の叢生がみえる。セファロ図ではSNA・ANBが負側、SNBが正側へ偏り、上下顎双方の骨格的不調和と上顎前歯の強い唇側傾斜が示されているため、上顎第一小臼歯抜歯によるデコンペンセーションとLe Fort I型骨切り術・下顎枝矢状分割術の二顎手術を組み合わせる。

選択肢の確認

a.4 4 の抜歯、下顎枝矢状分割術
この条件では最も適切ではありません。
4 4の抜歯と下顎枝矢状分割術だけでは、上顎の骨格的位置異常を改善できず、二顎的な不調和が残ります。

b.5 5 の抜歯、下顎枝矢状分割術
この条件では最も適切ではありません。
下顎単独手術である点が本症例に不十分で、5 5の抜歯も前歯部デコンペンセーションの空隙確保として第一選択ではありません。

c.4 4 の抜歯、Le FortⅠ型骨切り術、下顎枝矢状分割術
正答。最も適切です。
4 4の抜歯で術前矯正の空隙を確保し、Le FortⅠ型骨切り術と下顎枝矢状分割術で上下顎の骨格的不調和を改善する方針が適切です。

d.5 5 の抜歯、Le FortⅠ型骨切り術、下顎枝矢状分割術
この条件では最も適切ではありません。
二顎手術の選択は合いますが、5 5の抜歯は本症例で必要な上顎前歯の移動とデコンペンセーションに対して適切ではありません。

e.4 4 4 4 の抜歯、Le FortⅠ型骨切り術、下顎枝矢状分割術
この条件では最も適切ではありません。
上下顎4本の第一小臼歯抜歯は必要以上に空隙を作り、下顎前歯の術前デコンペンセーションや最終咬合の計画と合いません。

覚えるポイント

  • 上下顎双方の骨格的不調和には二顎手術を検討する。
  • Le FortⅠ型骨切り術は上顎、下顎枝矢状分割術は下顎を移動する。
  • 術前矯正ではデンタルコンペンセーションを除去する。

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