116B083|第116回 歯科医師国家試験 過去問
8 歳の女児。前歯の隙間を主訴として来院した。初診時の顔面写真(別冊No. 35 A)、口腔内写真(別冊No. 35B)及びエックス線画像(別冊No. 35C)を別に示す。 セファロ分析の結果を図に示す。 まず行う処置はどれか。1 つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
混合歯列期では、見た目の正中離開だけでなく、永久歯の萌出障害を起こす局所原因を優先して除去します。
解説
パノラマエックス線画像では、上顎右側第一大臼歯が近心傾斜して萌出し、上顎右側第二乳臼歯に引っ掛かる異所萌出が疑われます。第二乳臼歯の歯根吸収や第一大臼歯の萌出障害を進行させないため、まず上顎右側第二乳臼歯を抜去して萌出路を確保します。8歳頃の正中離開は、側切歯・犬歯萌出に伴う生理的な醜いアヒルの子の時期であることも多く、直ちに閉鎖しません。
症例問題の解き方
混合歯列期では、永久歯胚の位置、乳歯根吸収、萌出方向、スペースをパノラマ画像で確認し、不可逆的な障害を防ぐ処置を優先します。
画像の確認
実画像では、混合歯列期で上顎中切歯間に離開がある一方、側方写真では上顎右側第一大臼歯部の萌出が対側より遅れている。パノラマ像では同歯が近心傾斜し、直前方の上顎右側第二乳臼歯遠心部に接して萌出路を妨げられているため、生理的な正中離開への処置より先に第二乳臼歯を抜去する判断につながる。
選択肢の確認
a.正中離開の閉鎖
この時点でまず行う処置ではありません。
8歳の正中離開は生理的経過で自然に減少することがあり、原因評価前に閉鎖するのは適切ではありません。
b.下顎左側乳犬歯の抜去
この時点でまず行う処置ではありません。
下顎左側乳犬歯の抜去は、上顎右側第一大臼歯の萌出障害を解消しません。
c.上顎右側第一大臼歯の開窓
この時点でまず行う処置ではありません。
上顎右側第一大臼歯は骨や歯肉だけが障害となっているのではなく、第二乳臼歯に近心方向から引っ掛かっているため、まず原因歯への対応が必要です。
d.上顎右側第二乳臼歯の抜去
正答。まず行います。
上顎右側第二乳臼歯を抜去して、異所萌出する第一大臼歯の萌出路を確保します。
e.左側乳犬歯交叉咬合の改善
この時点でまず行う処置ではありません。
乳犬歯部の交叉咬合も評価対象ですが、永久大臼歯の萌出障害と乳歯根吸収への対応を先に行います。
覚えるポイント
- 上顎第一大臼歯の異所萌出では第二乳臼歯への引っ掛かりを確認する。
- 混合歯列期の正中離開は生理的なことがある。
- 萌出障害では永久歯胚、乳歯根、スペースを画像で評価する。