116B021|第116回 歯科医師国家試験 過去問
オーバーバイトが小さく、ハイアングルを伴う成長期の骨格性上顎前突に対して 上顎顎外固定装置を用いた矯正歯科治療を行うこととした。牽引方向の写真(別冊 No. 5)を別に示す。 適切な牽引方向はどれか。1 つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
ハイアングルでオーバーバイトが小さい症例では、上顎大臼歯の挺出を避ける牽引方向を選びます。
解説
成長期の骨格性上顎前突に上顎顎外固定装置を用いる場合、ハイアングルかつ浅い被蓋では、上顎大臼歯を後方へ移動しながら挺出を抑制する上後方への高位牽引が適します。写真では「オ」がこの方向に相当します。下方成分をもつ牽引は大臼歯を挺出させ、下顎骨の時計回り回転を招いて開咬傾向を悪化させるおそれがあります。
矯正装置の選び方
顎外固定の牽引方向は、力線が上顎大臼歯の抵抗中心に対してどこを通るか、垂直成分が挺出か圧下かを確認します。ハイアングル・浅い被蓋では高位牽引が基本です。
画像の確認
実画像では、側貌写真上に口唇付近を起点とする5方向の矢印が描かれ、アは前方、イは前下方、ウは後下方、エは後方、オは後上方を向いている。ハイアングルで浅い被蓋を悪化させる下方成分を避け、後上方へ高位牽引する「オ」を選ぶことが画像から確認できる。
選択肢の確認
a.ア
この条件では最も適切ではありません。
アは前方への力成分が主体で、上顎大臼歯を遠心移動させる顎外固定の目的に合いません。
b.イ
この条件では最も適切ではありません。
イは前下方への力成分を含み、上顎大臼歯の遠心移動と挺出抑制を目的とする本症例には適しません。
c.ウ
この条件では最も適切ではありません。
ウは後下方への牽引で、上顎大臼歯を挺出させやすく、ハイアングル・浅い被蓋を悪化させる可能性があります。
d.エ
この条件では最も適切ではありません。
エはほぼ水平の後方牽引で遠心移動は期待できますが、垂直的コントロールの点で高位牽引より適切ではありません。
e.オ
正答。最も適切です。
オは上後方への高位牽引で、大臼歯を遠心移動させつつ挺出を抑えやすいため本症例に最適です。
覚えるポイント
- ハイアングル・浅い被蓋では高位牽引。
- 頸部牽引は大臼歯を挺出させやすい。
- 牽引方向は前後成分だけでなく垂直成分も評価する。