116A034|第116回 歯科医師国家試験 過去問
19 歳の女性。下顎の前突感と前歯で咬みにくいことを主訴として来院した。診 断をした結果、外科的矯正治療を行うこととした。初診時の顔面写真(別冊No. 6 A)、口腔内写真(別冊No. 6B)及びエックス線画像(別冊No. 6C)を別に示す。 セファロ分析の結果を図に示す。 術前矯正治療で行うのはどれか。3 つ選べ。

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正解: a・c・e
正答
a、c、e
この問題のポイント
外科的矯正治療の術前矯正では、手術後に適切な咬合を作れるよう歯列を配列し、歯性補償を除去します。
解説
骨格性下顎前突では、上下前歯が骨格的不調和を補う方向へ傾斜していることがあります。これをデンタルコンペンセーションといい、術前矯正では手術による骨格移動を十分に行えるよう解除します。
術前矯正の主な目的は、歯列のレベリング、Spee彎曲の平坦化、叢生や空隙などアーチレングスディスクレパンシーの改善、前歯歯軸の適正化です。本症例では下顎切歯のデンタルコンペンセーション除去が選択されます。
症例問題の解き方
手術前に骨格的不調和を歯で隠すのではなく、歯を各顎骨に対して適正な位置へ戻すと考えます。
画像の確認
実画像では、下顎前突の側貌と反対咬合、セファロ分析上の下顎切歯舌側傾斜があり、歯列にはレベリングと空隙・叢生調整を要する所見がみられる。術前矯正でSpee彎曲とアーチレングスディスクレパンシーを整え、下顎切歯の歯性補償を解除する正答a、c、eを支える。
選択肢の確認
a.Spee 彎曲の平坦化
正答。術前矯正で行います。
Spee彎曲を平坦化して歯列をレベリングし、手術後に安定した咬合を得られるようにします。
b.上下顎第一大臼歯の近遠心的関係の改善
本症例の術前矯正では選びません。
第一大臼歯の近遠心的関係は骨格移動によって改善される部分が大きく、術前に無理にI級関係へ合わせることが目的ではありません。
c.アーチレングスディスクレパンシーの改善
正答。術前矯正で行います。
叢生や空隙などのアーチレングスディスクレパンシーを改善し、各歯を適切に配列します。
d.上顎切歯のデンタルコンペンセーションの除去
本症例の術前矯正では選びません。
デンタルコンペンセーション除去は重要ですが、本症例では上顎切歯のデンタルコンペンセーション除去を選択しません。画像・セファロ所見に応じて必要性が異なります。
e.下顎切歯のデンタルコンペンセーションの除去
正答。術前矯正で行います。
骨格性下顎前突で舌側傾斜している下顎切歯を適正化し、デンタルコンペンセーションを除去します。
覚えるポイント
- 術前矯正ではレベリングとディスクレパンシー改善を行います。
- 歯性補償を解除して外科的骨格移動を可能にします。
- 大臼歯関係は手術後の顎位を考えて設定します。