115D073|第115回 歯科医師国家試験 過去問
16 歳の男子。前歯部の審美不良と口元が出ていることを主訴として来院した。 診断をした結果、 上下顎両側第一小臼歯の抜歯を伴うマルチブラケット装置を用いた矯正歯科治療 を行うこととした。初診時の顔面写真 (別冊No. 23A 、口腔内写真 (別冊No. 23B 及びエックス線画像 (別冊No. 23C を別に示す。セファロ分析の結果を図に示す。 改善するのはどれか。3つ選べ。 (セファロ分析図は問題画像参照)

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正解: a・b・d
正答
a、b、d
この問題のポイント
上下顎両側第一小臼歯を抜歯して得た空隙で改善できる歯性の問題と、抜歯矯正では基本的に改善しない骨格性の問題を区別します。
解説
16歳男性で、画像では前歯部の叢生、側貌における口唇突出、上下顎歯列正中線の不一致が確認できます。上下顎両側第一小臼歯を抜歯すると、得られた空隙を用いて前歯の排列・後方移動や左右の空隙配分ができるため、叢生、口唇の突出感、歯列正中線の不一致を改善できます。一方、ハイアングルは垂直的な骨格形態であり、通常の抜歯を伴うマルチブラケット治療だけで骨格そのものを正常化する項目ではありません。左右で異なる大臼歯の近遠心関係も、対称的な4本抜歯による本症例の主な改善対象ではありません。
画像の確認
実画像では、前歯部叢生、口唇突出、上下顎歯列正中の不一致があり、セファロ分析では上下前歯の唇側傾斜と垂直的骨格傾向も示されている。第一小臼歯4本の抜歯空隙で直接改善できる叢生、口唇突出感、歯列正中の不一致を選ぶ正答a、b、dが支持される。
選択肢の確認
a.叢 生
正しい。
抜歯空隙を利用して重なった前歯を排列できます。
b.口唇の突出感
正しい。
前歯を後方移動することで口唇の支持が減り、突出感の改善が期待できます。
c.ハイアングル
誤り。
ハイアングルは骨格性の垂直的顎関係で、通常の歯の排列だけでは根本的に改善しません。
d.上下顎歯列正中線の不一致
正しい。
左右の空隙閉鎖量や歯の移動量を調整して歯列正中を合わせられます。
e.非対称な上下顎大臼歯の近遠心的関係
誤り。
画像と治療計画からみた本治療の主要な改善項目ではなく、左右非対称な大臼歯関係には別途非対称な固定源・歯の移動計画が必要です。
覚えるポイント
小臼歯抜歯で得る空隙の用途は「叢生の解消」「前歯の後退」「正中の調整」です。骨格性ハイアングルは歯性改善と分けて考えます。