115D058第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科矯正学

6歳の女児。咬み合わせが悪いことを主訴として来院した。初診時の顔面写真 (別冊No. 17A 、口腔内写真 (別冊No. 17B 、パノラマエックス線画像 (別冊No. 17C 及び側面と正面の頭部エックス線規格写真 (別冊No. 17D を別に示す。 不正咬合の原因はどれか。 1つ選べ。

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正解: e

正答

e

この問題のポイント

顔面の左右非対称、片側の下顎発育不全、咬合平面の傾斜から、第一・第二鰓弓由来組織の片側性形成異常を診断します。

解説

6歳女児の顔貌写真では下顔面の左右非対称があり、口腔内写真では咬合平面の傾斜と左右で異なる咬合関係がみられます。パノラマエックス線画像と正面頭部エックス線規格写真では、片側の下顎枝・下顎頭領域の形成不全と下顎偏位が明瞭です。

これらは第一第二鰓弓症候群に典型的です。第一・第二鰓弓由来の下顎骨、顎関節、咀嚼筋、耳介などに片側性の形成異常を生じ、顔面半側の低形成を示すため、hemifacial microsomiaとも呼ばれます。

画像の確認

実画像では、下顔面とオトガイの左右非対称、咬合平面の傾斜があり、パノラマ・正面頭部像でも片側下顎枝・下顎頭領域の低形成と偏位がみられる。片側性の顎顔面形成不全という分布が第一第二鰓弓症候群に合い、正答eを支える。

選択肢の確認

a.Apert 症候群
誤り。
Apert症候群は頭蓋縫合早期癒合、上顎劣成長、眼球突出に加えて手足の合指症を特徴とします。本症例の片側性下顎形成不全とは異なります。

b.Marfan 症候群
誤り。
Marfan症候群では高身長、長い四肢・指、心血管系や眼の異常などが中心です。片側の下顎枝形成不全を主徴としません。

c.Turner 症候群
誤り。
Turner症候群では低身長、翼状頸、性腺形成不全などがみられます。画像のような顕著な片側性顎顔面形成不全の原因ではありません。

d.Crouzon 症候群
誤り。
Crouzon症候群は頭蓋縫合早期癒合による頭蓋変形、眼球突出、中顔面劣成長が中心です。片側の下顎枝・下顎頭低形成とは分布が異なります。

e.第一第二鰓弓症候群
正しい。
片側性の下顎骨・顎関節領域の形成不全、顔面非対称、咬合平面傾斜という所見が一致します。

覚えるポイント

  • 第一第二鰓弓症候群は顔面半側の下顎・耳介などの形成不全を示します。
  • 画像では下顎枝・下顎頭の左右差と咬合平面傾斜が重要です。
  • Apert症候群とCrouzon症候群は頭蓋縫合早期癒合を中心とする両側性の頭蓋顔面異常です。

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