115D050|第115回 歯科医師国家試験 過去問
20 歳の女性。前歯部の審美不良を主訴として来院した。診断をした結果、抜歯 を伴うマルチブラケット装置を用いた矯正歯科治療を行うこととした。初診時の顔 面写真 (別冊No. 13A 、口腔内写真 (別冊No. 13B 及びエックス線画像 (別冊No. 13C を別に示す。セファロ分析の結果を図に示す。 (セファロ分析図は問題画像参照) 適切な抜歯部位 (智歯を除く )はどれか。 1つ選べ。 (歯式は問題画像参照)

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正解: a
正答
a
この問題のポイント
顔貌、咬合、セファロ分析から、前歯を後退させる必要がある歯列を見極め、必要なスペースを得る抜歯部位を選びます。
解説
20歳女性の画像では、側貌の口唇突出と上顎前歯の唇側傾斜が目立ちます。セファロ分析でもFH平面に対する上顎中切歯歯軸傾斜角が大きい一方、下顎前歯歯軸は大きく唇側傾斜していません。したがって、主に上顎前歯を後退させるスペースが必要です。
画像中の選択肢aは上顎両側第一小臼歯の抜歯を示します。前歯部に近い第一小臼歯を抜歯すると、上顎犬歯と切歯を後方移動するスペースを確保できます。下顎前歯を積極的に後退させる根拠は乏しいため、下顎小臼歯の抜歯は選びません。
画像の確認
実画像では、側貌に口唇突出があり、口腔内では上顎前歯の唇側傾斜が目立ち、セファロ分析でも上顎中切歯歯軸の値が正方向へ大きい。上顎前歯後退用の空隙を得る上顎両側第一小臼歯抜歯、正答aが画像の主な歯性所見に合う。
選択肢の確認
a.選択肢a(問題画像参照)
正しい。
図は上顎両側第一小臼歯の抜歯を示します。上顎前歯を後退させるスペースを得られ、本症例の上顎前歯唇側傾斜と口唇突出の改善に適します。
b.選択肢b(問題画像参照)
本症例では適切ではありません。
図は上下顎両側第一小臼歯の抜歯を示します。下顎前歯を大きく後退させる所見が示されておらず、下顎にも抜歯空隙を設ける必要性が低い選択です。
c.選択肢c(問題画像参照)
本症例では適切ではありません。
図は上顎両側第一小臼歯と下顎両側第二小臼歯の抜歯を示します。上下顎に抜歯を行う方針となり、下顎抜歯を必要としない本症例には過剰です。
d.選択肢d(問題画像参照)
本症例では適切ではありません。
図は上下顎両側第二小臼歯の抜歯を示します。上顎前歯から離れた第二小臼歯の空隙より、第一小臼歯の空隙の方が前歯後退に利用しやすく、本症例の目的に合います。
e.選択肢e(問題画像参照)
本症例では適切ではありません。
図は上顎両側第二小臼歯と下顎両側第一小臼歯の抜歯を示します。必要な抜歯顎と抜歯部位が本症例の上顎前歯後退という目的に一致しません。
覚えるポイント
- 上顎前歯の唇側傾斜が主体なら、上顎前歯を後退させる空隙を優先します。
- 第一小臼歯抜歯は前歯部に近く、前歯後退のスペースとして利用しやすい方法です。
- 抜歯部位は顔貌、上下前歯歯軸、叢生、臼歯関係を統合して決定します。