7PM90|第7回 公認心理師国家試験 過去問
[7PM90] 知覚狭小化(perceptual narrowing)の例として、生後 6 か月児は、ヒトもサルも個体間の顔の弁別ができるものの、その後、発達の過程で、サル個体間の顔の弁別能力が衰退していくことが挙げられる。 このことの解釈として、最も適切なものを 1 つ選べ。
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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、発達に伴って知覚能力が経験に応じて調整される知覚狭小化が問われています。
キーワードは、「生後6か月児はヒトもサルも弁別できる」「その後サル個体間の弁別能力が衰退する」です。
解説
知覚狭小化とは、乳児が初期には広い範囲の刺激を弁別できる一方で、発達の過程で、日常的に経験する刺激に対して知覚処理が特化していく現象です。
生後6か月頃の乳児は、ヒトの顔だけでなく、サルの顔の個体差も弁別できることがあります。しかし、その後、日常生活で多く接するヒトの顔に対する処理が洗練される一方、あまり接しないサルの顔の弁別能力は低下していきます。
これは、視力が低下したからではありません。生活環境の中で経験する刺激に合わせて、認知機能や知覚処理が効率化・専門化されるためです。
発達心理学のポイント
知覚狭小化は、「能力が単純に低下する」のではなく、経験に応じて必要な刺激処理へ特化していく発達的変化として理解します。
選択肢の確認
1.生後 6 か月以降に、視力が低下する。
判定:適切とはいえない。
サルの顔の弁別能力が衰退するのは、視力が低下するためではありません。日常環境で経験する刺激に合わせて知覚処理が調整されるためです。
2.顔の認知処理は、高い領域固有性を示す。
判定:適切とはいえない。
顔認知に特化した処理があることは重要ですが、本問で問われているのは、発達と経験によって弁別能力が変化することです。知覚狭小化の解釈としては、生活環境内での知覚経験による調整が最も適切です。
3.生後 6 か月児は、ヒトよりもサルの顔を選好する。
判定:適切とはいえない。
問題文は、生後6か月児がヒトとサルのどちらを好むかを述べているのではありません。ヒトもサルも個体間弁別ができることを述べています。
4.顔の全体処理の傾向は、発達が進むにつれて弱まる。
判定:適切とはいえない。
知覚狭小化は、経験の多い刺激に対して処理が専門化する現象です。顔の全体処理が発達とともに弱まるという説明は、本問のサル顔弁別能力の衰退を説明するものではありません。
5.生活環境内での知覚経験により、認知機能が調整される。
判定:最も適切。
乳児は、生活環境で多く経験するヒトの顔に対する処理を洗練させる一方、経験の少ないサルの顔の弁別能力が低下します。知覚狭小化の説明として最も適切です。
覚えるポイント
- 知覚狭小化は、経験に応じて知覚処理が専門化される現象です。
- 乳児は初期には広い範囲の刺激を弁別できますが、経験の少ない刺激への弁別能力は低下することがあります。
- 「視力低下」ではなく、生活環境内での知覚経験による調整として理解します。