46AM26|第46回 第2種ME技術実力検定試験 過去問
レーザ治療装置で、生体内の水を主な光吸収体とするレーザはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
この問題では、医用治療機器のうちレーザ治療装置で、レーザ光がどの生体成分(光吸収体)に主に吸収されるかが問われています。レーザの波長によって、吸収されやすい物質が決まります。
解説
レーザは、波長ごとに体の中で吸収されやすい物質が異なります。この「吸収されやすい物質」を光吸収体と呼びます。治療では、ねらった組織に効率よくエネルギーを与えるため、目的に合った波長のレーザを選びます。
体の中で水を主な光吸収体とするのは、中赤外〜遠赤外領域の波長をもつレーザです。水は約3000 nm(3 µm)付近の赤外線を非常に強く吸収します。
Er:YAGレーザの波長は2940 nmで、ちょうど水の吸収ピークに近い値です。生体組織は多量の水を含むため、Er:YAGレーザは表面のごく浅い層で強く吸収され、周囲への熱影響が少ない精密な切削・蒸散ができます。歯科や皮膚科でよく使われます。
代表的なレーザと主な吸収体の対応は次のとおりです。
- 波長が短い紫外領域(ArFエキシマ 193 nm)は、光のエネルギーが高く、組織を熱ではなく直接分解する作用が中心です。
- 可視光〜近赤外(色素 595 nm、アレキサンドライト 755 nm、半導体 830 nm)は、主にヘモグロビンやメラニンなどの色素に吸収されます。
- 中赤外(Er:YAG 2940 nm)や遠赤外(CO2 10600 nm)は、主に水に吸収されます。
ひっかけポイント
波長の数字だけで迷わないようにします。短い波長(紫外)→ 光化学的作用、可視〜近赤外 → 色素(ヘモグロビン・メラニン)、長い波長(赤外)→ 水、という大きな流れで整理すると選びやすくなります。
選択肢の確認
1.Er:YAGレーザ(波長2940 nm)
正しい。
波長2940 nmは水の吸収ピークに近く、生体内の水を主な光吸収体とします。組織表面で強く吸収され、浅く精密な蒸散ができます。
2.アレキサンドライトレーザ(波長755 nm)
誤り。
755 nmは近赤外で、主にメラニンに吸収されます。脱毛などに用いられ、水を主な吸収体とはしません。
3.ArFエキシマレーザ(波長193 nm)
誤り。
193 nmは紫外線で、光子のエネルギーが高く、組織を熱ではなく直接分解する光化学的(アブレーション)作用が中心です。角膜の切除などに用いられ、水が主な吸収体ではありません。
4.半導体レーザ(波長830 nm)
誤り。
830 nmは近赤外で、組織深くまで届きやすく、主にヘモグロビンや組織に吸収されます。水を主な吸収体とはしません。
5.色素レーザ(波長595 nm)
誤り。
595 nmは黄色付近の可視光で、主にヘモグロビンに吸収されます。赤あざなどの血管病変の治療に用いられ、水を主な吸収体とはしません。
覚えるポイント
- 水が主な吸収体となるのは赤外領域のレーザで、代表は**Er:YAG(2940 nm)**とCO2レーザ(10600 nm)。
- 可視〜近赤外(色素・アレキサンドライト・半導体)は主に**色素(ヘモグロビン・メラニン)**に吸収される。
- 紫外の**ArFエキシマ(193 nm)**は熱ではなく組織を直接分解する作用が中心。
- 波長と吸収体の対応は「紫外=分解、可視〜近赤外=色素、赤外=水」で整理する。