44PM20第44回 第2種ME技術実力検定試験 過去問

Ⅰ 基礎的知識MEの基礎となる理工学的知識生体物性・材料/流体・粘性・レオロジー

図のように粘弾性体モデルに一定の力を加えた。誤っているのはどれか。 ただし、モデルの質量は無視できるものとする。

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正解: 4

正答

4

この問題のポイント

この問題では、図に示されたバネとダッシュポットの直列モデルの性質が問われています。

図では、壁に固定された側から、ダッシュポットバネが直列に接続され、右端に一定の力が加えられています。

これは粘弾性体の代表的なモデルで、Maxwellモデルとして考えられます。

ポイントは次の3つです。

  • 直列接続なので、バネとダッシュポットにかかる力は等しい。
  • 一定の力がかかっている間、バネの伸びは一定である。
  • 一定の力がかかっている間、ダッシュポットは時間に比例して伸び続ける。

力を取り除くと、理想バネの伸びは時間に比例してゆっくり減るのではなく、力がなくなった時点で弾性的に戻ります。

したがって、誤っているのは 4.力を取り除くと、バネの伸びは時間に比例して減少する。 です。

解説

図のモデルは、ダッシュポットバネが直列に接続された粘弾性体モデルです。

まず、バネは弾性要素です。
力 F がかかると、フックの法則により伸びます。

F = kx

ここで、

F:バネにかかる力
k:バネ定数
x:バネの伸び

です。

一定の力 F が加わっている間、F は一定なので、バネの伸び x も一定になります。

一方、ダッシュポットは粘性要素です。
ダッシュポットでは、力は伸びそのものではなく、伸びる速さに比例します。

F = ηv

ここで、

η:粘性係数
v:ダッシュポットの伸びる速さ

です。

一定の力 F がかかると、v = F / η となり、伸びる速さは一定になります。
そのため、ダッシュポットの伸びは時間に比例して増加します。

直列接続では、バネとダッシュポットに同じ力がかかります。
そのため、一定の力が作用している間、バネにかかる力とダッシュポットにかかる力は等しくなります。

力を取り除いた後を考えます。

理想バネは、力がなくなると弾性的に戻ります。
この問題ではモデルの質量を無視できるため、慣性による遅れや振動は考えません。したがって、バネの伸びは時間に比例してゆっくり減少するのではありません。

一方、理想ダッシュポットは、力がかかっていなければ動きません。
そのため、力を取り除いた後、ダッシュポットはその時点の長さにとどまります。

図で見るポイント
図では、ダッシュポットとバネが直列につながっています。直列モデルでは、同じ力が両方に作用します。バネは力に応じて一定量伸び、ダッシュポットは一定の力で時間とともに伸び続けます。

ひっかけポイント
「力を取り除くと、もとに戻る」と考えたくなりますが、直列のダッシュポット部分は元に戻りません。戻るのはバネの弾性的な伸びだけです。ただし、その戻り方は時間に比例するのではなく、理想モデルでは力を取り除くと直ちに戻ると考えます。

選択肢の確認

1.一定の力が作用している間、バネの伸びは一定である。
記述としては正しい。
バネは弾性要素であり、伸びは力に比例します。一定の力が作用していれば、バネにかかる力も一定なので、バネの伸びも一定です。

2.一定の力が作用している間、ダッシュポットの伸びは時間に比例して増加する。
記述としては正しい。
ダッシュポットでは、力は伸びる速さに比例します。一定の力がかかると伸びる速さが一定になるため、伸びは時間に比例して増加します。

3.一定の力が作用している間、ダッシュポットにかかる力とバネにかかる力は等しい。
記述としては正しい。
図のモデルでは、ダッシュポットとバネが直列に接続されています。直列接続では、各要素にかかる力は等しくなります。

4.力を取り除くと、バネの伸びは時間に比例して減少する。
正答。記述としては誤り。
バネは弾性要素なので、力を取り除くと弾性的に戻ります。この問題では質量を無視できるため、時間に比例してゆっくり減少するとは考えません。時間に比例して変化するのは、一定の力がかかっている間のダッシュポットの伸びです。

5.力を取り除くと、ダッシュポットは力を取り除いた時点の長さにとどまる。
記述としては正しい。
理想ダッシュポットは、力がかかっていなければ伸びる速さが0になります。そのため、力を取り除いた後は、その時点の長さにとどまります。

この問題では誤っているものを選ぶため、記述として誤っている4が正答です。

覚えるポイント

  • 図のモデルは、バネとダッシュポットが直列のMaxwellモデルです。
  • 直列接続では、各要素にかかる力は等しいです。
  • バネの伸びは、加えた力に比例します。
  • 一定の力が作用している間、バネの伸びは一定です。
  • ダッシュポットの伸びは、一定の力で時間に比例して増加します。
  • 力を取り除くと、バネの伸びは弾性的に戻り、ダッシュポットはその時点の長さにとどまります。
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