44AM60|第44回 第2種ME技術実力検定試験 過去問
麻酔器は酸素の供給を停止すると自動的に亜酸化窒素の供給が遮断される。このような安全機構をなんと呼ぶか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
この問題では、麻酔器における安全機構の考え方が問われています。
酸素供給が停止したときに、亜酸化窒素の供給も自動的に遮断される仕組みは、患者へ低酸素混合ガスが送られることを防ぐためのものです。
異常や故障が起きたときに、危険な状態へ進まないよう安全側に動作する仕組みを、フェイルセーフといいます。
解説
麻酔器では、酸素、空気、亜酸化窒素、揮発性麻酔薬などを組み合わせて患者へ供給します。
ここで特に重要なのが、酸素供給の確保です。亜酸化窒素は麻酔補助や鎮痛に使われるガスですが、酸素を含みません。そのため、酸素が止まった状態で亜酸化窒素だけが供給されると、患者は低酸素状態に陥る危険があります。
この危険を避けるため、麻酔器には、酸素供給が停止または低下したときに亜酸化窒素の供給を止める安全機構があります。
これは、異常時に装置が危険な状態を継続するのではなく、患者にとってより安全な状態へ移行する仕組みです。
このような考え方をフェイルセーフといいます。
安全管理上のポイント
麻酔器では、酸素供給、亜酸化窒素供給、気化器、呼吸回路、酸素濃度計、余剰麻酔ガス排除などを総合的に確認します。特に酸素供給の異常は患者生命に直結するため、安全機構の意味を理解しておくことが重要です。
ひっかけポイント
「誤操作をできなくする」のはフールプルーフ、「故障時に安全側へ動作する」のはフェイルセーフです。この問題では、酸素停止という異常時に亜酸化窒素を遮断して安全側にするため、フェイルセーフを選びます。
選択肢の確認
1.多重系
誤り。
多重系は、同じ機能を複数の系統で構成し、信頼性を高める考え方です。たとえば、重要な機能を複数の経路で持たせる場合に関係します。この問題のように、異常時に危険な供給を自動停止する仕組みそのものを表す用語としては不適切です。
2.冗長性
誤り。
冗長性は、必要最小限より余分な構成要素を持たせ、故障しても機能を維持しやすくする性質です。バックアップを持たせる考え方に近く、酸素停止時に亜酸化窒素を遮断する安全側動作を直接表す語ではありません。
3.フールプルーフ
誤り。
フールプルーフは、誤操作をしても危険が起こりにくいようにする設計です。たとえば、誤接続できない構造や、間違った操作ができない仕組みが該当します。この問題では、故障や異常時に安全側へ動作することが中心なので、フェイルセーフが適切です。
4.フェイルセーフ
正しい。
フェイルセーフは、故障や異常が起きたときに、装置が危険な状態ではなく安全側へ移行する仕組みです。酸素供給が停止したときに亜酸化窒素の供給を遮断し、低酸素混合ガスの投与を防ぐため、この安全機構はフェイルセーフです。
5.デッドマン機構
誤り。
デッドマン機構は、操作者が操作を継続している間だけ動作し、手を離すなど操作が途切れると停止する仕組みです。鉄道や一部の機械操作などで用いられる考え方です。この問題の麻酔器の安全機構を表す語としては不適切です。
覚えるポイント
- フェイルセーフは、異常時や故障時に安全側へ動作する仕組みです。
- 麻酔器では、酸素供給停止時に亜酸化窒素供給を遮断して低酸素を防ぎます。
- フールプルーフは、誤操作を起こしにくくする設計です。
- 冗長性は、予備系や余分な構成を持たせて信頼性を高める考え方です。
- デッドマン機構は、操作者の操作が途切れると停止する仕組みです。
- 医療機器の安全では、「故障時にどう安全側へ動くか」を常に確認します。
