114AM070第114回 看護師国家試験 過去問

精神科病院入院患者の身体的拘束中に発生しやすい合併症はどれか。

解答・解説を見る

正解: 4

正答

4.肺血栓塞栓症 pulmonary thromboembolism

この問題のポイント

身体的拘束中に発生しやすい合併症は、長時間の不動による血流障害から生じるもの。特に下肢の運動制限が深部静脈血栓症(DVT)のリスクを高め、その血栓が肺動脈に移行して肺血栓塞栓症(PTE)を引き起こす。これは致死性の合併症であり、拘束中の安全管理の中心課題の一つである。

解説

身体的拘束は患者の四肢を動かせない状態を意味する。その結果、下肢の深部静脈血流が減少し、血流が滞り血栓が形成される。この血栓が遊離して肺動脈に達すると、突然の呼吸困難、胸痛、意識障害、ショックを引き起こす。特に拘束時間が長く、体動が全くない場合にリスクが高まり、早期に予防対策(体位変換、関節運動、弾性ストッキングなど)が求められる。精神保健福祉法に基づく拘束は「切迫性・非代替性・一時性」の要件を満たす場合に限り実施されるが、その際の合併症予防は極めて重要である。

選択肢の確認

1.糖尿病 diabetes mellitus:身体拘束自体が発症要因ではない。薬物による影響はあるが、直接の合併症とは言えない。
2.足白癬 tinea pedis:環境や皮膚状態による感染症で、拘束と関連性は極めて低い。
3.悪性症候群 malignant syndrome:抗精神病薬の副作用であり、薬物拘束(ドラッグロック)に関連。身体的拘束とは異なる原因。
4.肺血栓塞栓症 pulmonary thromboembolism:身体的拘束による不動が直接引き起こす代表的な致死的合併症。

覚えるポイント

「不動=血栓=肺に届く=死の危険」を頭に入れる。身体的拘束では、運動の制限が合併症の発生を引き起こす直接的要因であり、その中で最も危険なのは肺血栓塞栓症である。

114AM069114AM071
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)