管理栄養士国家試験の出題傾向分析

管理栄養士国家試験は、栄養学の専門知識に加えて、人体と疾病の理解から給食運営のマネジメントまでを問う、出題範囲の広さが特徴の試験です。全200問・1問1点の200点満点で、120点以上(6割)を取れば合格という絶対基準のため、他の受験者との競争ではなく自分の得点だけが問われます。ただし直近の第40回は受験者15,927人に対して合格者7,582人、合格率47.6%にとどまり、第36回の65.1%から4回連続で低下、掲載している10回分の推移の中では最も厳しい結果となりました。科目ごとの出題数は毎回固定されているため、配点構造に沿った計画的な学習がそのまま得点に直結します。

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合格率と合格基準

直近の合格率47.6%第40回・受験15,927人/合格7,582
合格基準1問1点・総合点200点満点中120点以上(6割)で合格。難易度による補正のない絶対基準。
回次実施年受験者数合格者数合格率
第40回202615,9277,58247.6%
第39回202516,1697,77848.1%
第38回202416,3298,05649.3%
第37回202316,3519,25456.6%
第36回202216,42610,69265.1%
第35回202116,01910,29264.2%
第34回202015,9439,87461.9%
第33回201917,86410,79660.4%
第32回201817,22210,47260.8%
第31回201719,47210,62254.6%

受験者数・合格者数・合格率は各実施機関の公式発表値(出典)。合格基準の詳細・最新情報は必ず公式発表をご確認ください。

直近回(第40回)の総評

第40回は受験者15,927人・合格者7,582人・合格率47.6%で、第39回の48.1%からさらに低下しました。第36回65.1%→第37回56.6%→第38回49.3%→第39回48.1%→第40回47.6%という推移が示すとおり、合格率はこの5回で17ポイント以上下がっており、6割の絶対基準を確実に超える実力づくりの重要性が増しています。一方で出題構成は極めて安定しています。応用力試験30問、人体の構造と機能及び疾病の成り立ち26問、臨床栄養学26問、食べ物と健康25問、給食経営管理論18問、社会・環境と健康、応用栄養学、公衆栄養学が各16問、基礎栄養学14問、栄養教育論13問という配分は、第36回から第40回まで一度も変わっていません。画像を含む問題は第40回で7問と、第37回の12問からは減ったものの毎回一定数出題されています。複数の選択肢を選ばせる形式はなく全問が単一解答のため、迷った問題でも必ず一つに絞り切る訓練が得点を押し上げます。

頻出分野ランキングと分野別対策

  1. 応用力試験毎回平均 30問(全体の15%)

    毎回30問と全科目中最大の出題数で、全体の15%を占めます。第40回の40PM171〜40PM174のように、患者や施設・地域の状況を提示したうえで複数問を連続して問う形式が中心で、単純な知識の暗記では対応できません。問われるのは、臨床栄養学・公衆栄養学・給食経営管理論などで学んだ知識を具体的な場面に適用する力です。対策としては、まず各専門科目の知識を固めた後、過去5回分の応用力試験150問を時間を計って解き、状況文から必要な情報を素早く抽出する練習を積むこと。1問1点で30点分あるため、ここでの得点率が合否を大きく左右します。誤答した問題は、どの科目の知識が不足していたのかまで遡って復習してください。

  2. 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち毎回平均 26問(全体の13%)

    毎回26問で固定されており、第40回の40AM17〜40AM20のように午前の序盤に配置されます。解剖生理から病態、疾患の成り立ちまで範囲が広く、臨床栄養学や応用栄養学の土台となる科目のため、後回しにすると専門科目の理解まで浅くなります。学習の初期に集中的に取り組み、消化器・内分泌・腎臓など栄養と関わりの深い臓器の構造と機能、主要疾患の病態を体系的に整理してください。臨床栄養学の26問と合わせると52問、全体の4分の1以上がこの系統の知識で解ける計算になり、時間を投じる価値が最も高い領域です。丸暗記ではなく「なぜそうなるか」の因果で覚えると、応用力試験にもそのまま効いてきます。

  3. 臨床栄養学毎回平均 26問(全体の13%)

    毎回26問で、人体の構造と機能及び疾病の成り立ちと並ぶ最大級の専門科目です。第40回では40PM111〜40PM114のように午後に配置されています。疾患ごとの栄養管理という試験の核心を担う科目であり、応用力試験の症例問題の下敷きにもなるため、ここの完成度が総得点の伸びを決めます。学習では、疾患の病態と栄養管理の方針をセットで整理するのが鉄則です。人体の科目で学んだ病態の知識と対応づけながら、栄養補給法や栄養管理プロセスといった枠組みを先に固め、そこに個別疾患の各論を積み上げていくと知識が絡まりません。過去5回分で130問の蓄積があるので、演習量も十分に確保できます。

  4. 食べ物と健康毎回平均 25問(全体の13%)

    毎回25問と、専門基礎の中で最大のボリュームを持つ科目です。第40回の40AM43〜40AM46のように午前に固めて出題されます。食品の成分・特性から加工・調理、表示制度までカバー範囲が広く、暗記要素が多いのが特徴です。細かい知識の積み重ねが得点になる科目なので、一夜漬けが利かない反面、コツコツ型の受験者には得点源になります。過去5回分の125問を分野ごとに解き直し、繰り返し問われている知識から優先して固めてください。他科目との関連が比較的薄く独立して学習できるため、スキマ時間の暗記学習と相性が良い科目でもあります。25問で全体の12.5%を占める以上、捨て科目にはできません。

  5. 給食経営管理論毎回平均 18問(全体の9%)

    毎回18問で固定されています。給食施設の運営・管理という実務直結の内容で、マネジメントや衛生管理の考え方が問われます。栄養学の他科目とは頭の使い方が異なるため苦手意識を持つ受験者もいますが、出題の枠組みは安定しており、過去問演習の反復で確実に伸びる科目です。過去5回分90問を解けば、問われ方のパターンが見えてきます。また応用力試験では給食施設を舞台にした状況設定が扱われるため、この科目の理解は30問の応用力試験対策としても機能します。18問すべてを取りにいくつもりで、運営プロセスと衛生管理の流れを自分の言葉で説明できる水準まで仕上げてください。

  6. 社会・環境と健康毎回平均 16問(全体の8%)

    毎回16問で固定の科目です。公衆衛生や保健統計、健康づくり施策など、社会の仕組みの中で健康を捉える視点が問われます。制度や統計の数値など暗記要素が中心のため、学習期間の終盤に詰め込みが利きやすい科目ですが、範囲自体は広いので直前期だけで仕上げるのは危険です。中盤までに一度全体を通し、終盤に反復して精度を上げる二段構えが現実的です。公衆栄養学の16問と内容が隣接しており、合わせて学習すると32問分の対策として効率が上がります。過去5回分の80問で頻出の制度・統計を特定し、そこから優先的に固めていってください。

  7. 応用栄養学毎回平均 16問(全体の8%)

    毎回16問で固定されています。妊娠期から高齢期までのライフステージ別栄養管理と、運動・環境と栄養の関わりが中心テーマです。各ライフステージの生理的特徴と栄養ケアのポイントを対応させて整理するのが学習の軸になります。人体の構造と機能で学ぶ生理学の知識が土台になるため、基礎系科目を終えてから取り組むと理解が速く、臨床栄養学や応用力試験の症例(対象者の年齢・状態の読み取り)にも直結します。過去5回分80問の演習で、ステージごとの頻出ポイントを押さえれば安定して得点できる科目です。16問中の取りこぼしを最小限にする守りの科目と位置づけてください。

  8. 公衆栄養学毎回平均 16問(全体の8%)

    毎回16問で固定の科目です。地域や集団を対象とした栄養施策・栄養疫学・食生活の実態把握などが問われ、社会・環境と健康と地続きの内容です。制度や調査の枠組みといった暗記事項が多い一方、栄養疫学の考え方は理解型の学習が必要で、この二層構造を意識すると効率が上がります。応用力試験では地域を舞台にした状況設定問題が出題されるため、公衆栄養マネジメントの流れを実際の場面に当てはめる練習をしておくと、16問の枠を超えた得点効果があります。社会・環境と健康の16問と合わせた32問を暗記系ブロックとして一体運用し、直前期の反復で仕上げる計画が有効です。

分野別の出題数(全収録回の合計)

応用力試験150(15%)
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち130(13%)
臨床栄養学130(13%)
食べ物と健康125(13%)
給食経営管理論90(9%)
社会・環境と健康80(8%)
応用栄養学80(8%)
公衆栄養学80(8%)
基礎栄養学70(7%)
栄養教育論65(7%)

分野×回次のクロス集計

分野第40回第39回第38回第37回第36回合計
応用力試験3030303030150
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち2626262626130
臨床栄養学2626262626130
食べ物と健康2525252525125
給食経営管理論181818181890
社会・環境と健康161616161680
応用栄養学161616161680
公衆栄養学161616161680
基礎栄養学141414141470
栄養教育論131313131365

頻出テーマ TOP10

  1. 応用力試験第40回30
  2. 応用力試験第39回30
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  10. 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち第38回26

出題形式の統計(回次別)

回次問題数画像・図表つき45複数選択
第40回2007(4%)32168
第39回2009(5%)38162
第38回2006(3%)33167
第37回20012(6%)30170
第36回2004(2%)30170

画像・図表つき問題や複数選択形式の比率は、実際の解き味と時間配分に直結します。 比率が高い回次が続く場合は、画像問題への慣れを演習に組み込んでおくのが安全です。

合格から逆算する学習戦略

配点から逆算すると優先順位は明確です。人体の構造と機能及び疾病の成り立ち26問と臨床栄養学26問は内容が直結しており、合わせて52問。さらに応用力試験30問の多くがこの系統の知識を土台とするため、「人体→臨床栄養」の縦のラインを最初に固めるのが最も効率的です。次いで食べ物と健康25問、給食経営管理論18問と続き、上位5科目だけで全体の6割を超えます。学習期間を3期に分けるなら、前半は人体・基礎栄養学・食べ物と健康の基礎系、中盤は臨床栄養学・応用栄養学・給食経営管理論の専門系、終盤は社会・環境と健康や公衆栄養学の暗記系と応用力試験の演習、という構成が機能します。合格基準は200点中120点の絶対評価なので、満点を狙う必要はありません。苦手科目でも5割、得意科目で7〜8割を確保する現実的な得点設計を立ててください。過去問は直近5回分・計1,000問を最低2周。1周目は科目ごとに解いて弱点を特定し、2周目は本試験と同じ200問通しで解いて時間配分を体に入れます。第36回から第40回まで科目別出題数が完全に固定されているため、過去問の科目構成がそのまま本番の設計図になります。合格率が47.6%まで低下している状況では、「6割ぎりぎり」を狙う計画は危険です。過去問演習で常に7割を超える状態を仕上がりの目安にしてください。本サイトでは過去5回分1,000問をそのまま演習できます。

よくある質問

管理栄養士国家試験の合格率はどのくらいですか?

直近の第40回は受験者15,927人・合格者7,582人で合格率47.6%でした。第36回の65.1%から、56.6%(第37回)→49.3%(第38回)→48.1%(第39回)→47.6%(第40回)と4回連続で低下しており、掲載している10回分の中では最も低い水準です。かつては第33回60.4%、第34回61.9%など6割台で推移していた時期もあり、近年は明らかに厳しくなっています。

合格基準・ボーダーラインはどうなっていますか?

全200問・1問1点の200点満点で、120点以上(6割)を取れば合格です。難易度による補正のない絶対基準のため、ボーダーが年によって動くことはなく、目標設定がしやすい試験です。ただし科目別の足切りがない分、総得点だけで決まるので、配点の大きい科目で確実に稼ぐ戦略が有効です。本番での不確実性を考えると、演習段階では140点(7割)以上を安定して取れる状態を目指してください。

過去問は何年分解くべきですか?

直近5回分・計1,000問が目安です。第36回から第40回まで科目別の出題数(応用力試験30問、人体・臨床栄養学各26問など)が完全に固定されており、過去問の構成がそのまま本番の設計図になるためです。1周目は科目別に解いて弱点を特定し、2周目は200問を通しで解いて時間配分を確認する使い方が効果的です。合格率が5割を切っている近年の状況では、最低2周、弱点科目は3周が現実的なラインです。

最も配点が大きい分野はどこですか?

単独の科目としては応用力試験の30問(全体の15%)が最大です。次いで人体の構造と機能及び疾病の成り立ちと臨床栄養学が各26問、食べ物と健康が25問と続きます。人体と臨床栄養学は内容が直結しているため、実質的にはこの2科目52問がひとつの大きなブロックであり、応用力試験の症例問題の土台にもなります。この「人体→臨床栄養→応用力試験」のラインを制することが、合格への最短ルートです。

応用力試験とはどんな問題ですか?

患者・施設・地域などの状況を文章で提示し、それを読み解いて複数問に答える形式の科目で、毎回30問出題されます。第40回では40PM171〜40PM174のように連続した問題番号で構成されます。単純な知識ではなく、臨床栄養学や公衆栄養学、給食経営管理論の知識を実際の場面に適用する力が問われるため、専門科目を固めた後に過去5回分150問を演習するのが王道の対策です。全体の15%を占める最大科目であり、ここを苦手のまま残すと合格は遠のきます。

回次ごとの収録問題数

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