37PM180|第37回 管理栄養士国家試験 過去問
次の文を読み「180」、「181」、「182」に答えよ。 K病院の管理栄養士である。 患者は、72 歳、女性。下部食道がん切除および胃管を用いた再建手術の目的で入院した。 身長150 cm、体重40 kg、BMI 17.8 kg/m²。標準体重50 kg。基礎代謝量920 kcal/日。 入院前、食べ物がつかえる感じはあったが、通常量程度の食事は摂取できていた。入院後も、経口摂取を継続している。 患者は、放射線治療後に手術を受ける予定である。術直後からの栄養補給方法と、提供する食事または経腸栄養剤の組合せである。 最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
下部食道がん切除・胃管再建の術直後の栄養補給方法の選択です。再建に胃を使うことと、術直後の消化管の状態を理解しているかが問われます。
解説
食道がんの手術では、切除した食道の代わりに胃を細長く形成した「胃管」を持ち上げて再建します。胃は再建臓器となるため、術直後の栄養アクセスとして胃瘻は選びません。
また、術直後は縫合部(吻合部)の安静を保つ必要があり、経口摂取はできません。そこで、手術時に空腸に栄養チューブを留置(空腸瘻)し、術直後から経腸栄養を行うのが標準的です。腸を使う栄養法は、腸粘膜の萎縮を防ぎ、感染症などの合併症を減らす利点があります。
空腸瘻から投与する栄養剤は、消化をほとんど必要としない成分栄養剤などの消化態のものが用いられます。
選択肢の確認
1.経口栄養法 ── 軟菜食
最も適切とはいえない。術直後は吻合部の安静が必要で、経口摂取はできません。
2.経管栄養法(食道瘻) ── 成分栄養剤
最も適切とはいえない。食道は切除・再建した部位そのものであり、食道瘻からの栄養投与はできません。
3.経管栄養法(胃瘻) ── 成分栄養剤
最も適切とはいえない。胃は胃管として食道再建に使用されるため、術直後の栄養投与経路として胃瘻は選びません。
4.経管栄養法(空腸瘻) ── 成分栄養剤
最も適切である。吻合部より肛門側の空腸に瘻孔を造設し、術直後から成分栄養剤で経腸栄養を行う方法で、食道がん術後の標準的な栄養補給法です。
覚えるポイント
- 食道がんの胃管再建では、胃が再建臓器になるため術直後の栄養経路に胃瘻は選ばない。
- 術直後の栄養補給は、吻合部より先(空腸瘻)からの経腸栄養が第一選択。
- 空腸瘻からは、消化の負担が少ない成分栄養剤を用いる。