理学療法士国家試験の出題傾向分析

理学療法士国家試験は毎回200問で構成され、一般問題1問1点・実地問題1問3点という傾斜配点が最大の特徴です。第61回は受験者12,436人・合格者11,156人で合格率89.7%と、3年連続で89%台の高水準が続いています。ただし過去10年を見ると第56回79.0%・第57回79.6%という谷もあり、安定が保証された試験ではありません。合格には総得点の約6割に加えて実地問題単独の合格ラインも満たす必要があり、配点の重い実地問題への対応力が合否を分けます。本記事では直近3回・600問の形式分析と10年分の合格率データから、効率的な学習戦略を解説します。

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合格率と合格基準

直近の合格率89.7%第61回・受験12,436人/合格11,156
合格基準一般問題1問1点・実地問題1問3点で採点し、総得点の約6割以上かつ実地問題単独の合格ラインの両方を満たす必要がある(第61回は総得点167点以上/277点、かつ実地41点以上/117点。採点除外問題により毎年微変動)。
回次実施年受験者数合格者数合格率
第61回202612,43611,15689.7%
第60回202512,69111,37389.6%
第59回202412,62911,26689.2%
第58回202312,94811,31287.4%
第57回202212,68510,09679.6%
第56回202111,9469,43479%
第55回202012,28310,60886.4%
第54回201912,60510,80985.8%
第53回201812,1489,88581.4%
第52回201713,71912,38890.3%

受験者数・合格者数・合格率は各実施機関の公式発表値(出典)。合格基準の詳細・最新情報は必ず公式発表をご確認ください。

直近回(第61回)の総評

第61回は合格率89.7%(受験者12,436人・合格者11,156人)で、第60回の89.6%、第59回の89.2%に続き3年連続の89%台となりました。第56回(79.0%)・第57回(79.6%)の水準と比べると、直近は落ち着いた難易度が続いていると言えます。合格基準は総得点167点以上(277点満点)かつ実地問題41点以上(117点満点)で、採点除外問題の影響により毎年わずかに変動します。形式面の変化として、画像を用いた問題は第59回16問・第60回17問に対し第61回は12問と減少しました。一方、「2つ選べ」などの複数選択形式は第59回25問・第60回22問・第61回26問と毎回20問台で推移し、消去法だけでは太刀打ちできない出題が全体の1割超を占め続けています。実地問題は1問3点で117点分、総得点277点の4割超に相当するため、症例文や画像から状況を読み取り判断する訓練の比重は落とせません。総じて、近年の合格率は高めに推移しているものの、傾斜配点と複数選択形式が知識の正確さと臨床的な判断力の差を露わにする構造は変わっていません。

出題形式の統計(回次別)

回次問題数画像・図表つき5複数選択
第61回20021(11%)20026
第60回20021(11%)20022
第59回20023(12%)20025

画像・図表つき問題や複数選択形式の比率は、実際の解き味と時間配分に直結します。 比率が高い回次が続く場合は、画像問題への慣れを演習に組み込んでおくのが安全です。

合格から逆算する学習戦略

学習戦略は配点構造から逆算します。第61回の合格基準は総得点167点以上(277点満点)かつ実地問題41点以上(117点満点)。実地問題は1問3点で、総得点の4割超を占めます。実地で基準を割ると総得点が足りていても不合格になるため、実地対策を後回しにしないことが大前提です。進め方は3段階に分けましょう。序盤は一般問題の土台づくりです。1問1点とはいえ問題数が多く、基礎知識の網羅が総得点の下支えになります。中盤からは実地形式の演習を本格化させます。症例文から必要な情報を抽出し、評価・治療の判断につなげる訓練は一朝一夕には身につきません。画像を用いた問題も第59回16問・第60回17問・第61回12問と毎回出題されるため、画像を含む過去問を意識的に解いておきましょう。終盤は200問の通し演習で時間配分を体に入れます。注意すべきは、複数選択形式が第59回25問・第60回22問・第61回26問と毎回20問以上出ている点です。正解を1つ見つけて安心する解き方では失点するため、全選択肢の正誤を判断できる精度が求められます。また合格率は直近3回こそ89%台ですが、過去10年では第56回79.0%・第57回79.6%のような谷もあります。難化しても総得点の6割と実地ラインを確保できる基礎力を目標に、過去問は最低3回分を繰り返し、間違えた問題の周辺知識まで潰していきましょう。当サイトの過去問演習も、回別・形式別の対策に活用してください。

よくある質問

理学療法士国家試験の合格率はどのくらいですか?

第61回は89.7%(受験者12,436人・合格者11,156人)でした。第60回89.6%、第59回89.2%と3年連続で89%台です。ただし過去10年では第56回79.0%から第52回90.3%まで幅があり、回によって10ポイント以上変動しています。高めの水準が続いているとはいえ、8割前後まで下がった年もある点は念頭に置いて準備しましょう。

合格基準・ボーダーラインは何点ですか?

一般問題1問1点・実地問題1問3点で採点し、総得点の約6割以上と実地問題単独の合格ラインの両方を満たす必要があります。第61回は総得点167点以上(277点満点)かつ実地41点以上(117点満点)でした。採点除外問題の影響で満点と合格点は毎年微変動します。総得点が足りていても実地だけ基準を割れば不合格になる点が最大の注意点です。

過去問は何年分解くべきですか?

最低でも直近3回分(600問)は完全に仕上げましょう。出題形式(画像問題12〜17問、複数選択形式20問超)は近年安定しており、直近回の演習がそのまま本番対策になります。余裕があれば、合格率が79%台まで下がった第56回・第57回のような難化回まで遡ると、難易度変動への耐性がつきます。1周で終えず、間違えた問題を繰り返す使い方が効果的です。

配点が最も大きいのはどこですか?

実地問題です。1問3点で、第61回は117点分と総得点277点の4割超を占めます。一般問題1問のミスは1点ですが、実地1問のミスは3点に相当します。しかも実地には単独の合格ライン(第61回は41点)が設定されているため、対策の優先度は最も高くなります。症例文や画像から評価・治療を判断する形式に早い段階から慣れておくことが重要です。

「2つ選べ」のような複数選択形式は多いですか?

毎回20問以上出ています。第59回25問・第60回22問・第61回26問と安定して全体の1割超を占めます。複数選択形式は全選択肢の正誤判断が必要なため、曖昧な知識では得点できません。正解の選択肢を1つ見つけて満足せず、残りの選択肢がなぜ誤りかまで説明できる精度で知識を仕上げることが、この形式への最も確実な対策です。

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