111Q289|第111回 薬剤師国家試験 過去問
76 歳男性。身長 165 cm、体重 55 kg。月に1 回程度の機会飲酒(1 回日本 酒1 合程度)。3 週間後に、消化器外科にて食道がんの全摘出手術を施行する予定 である。外来受診の際に、この患者より「10 日前から、夜眠れない日が続いてい ます。辛いです。」と担当医に相談があった。患者は2 年前に、せん妄を発症した 経験があるため、担当医は入院中のせん妄発症に注意が必要と考えている。また、 担当医は夜眠れないことも、せん妄のリスクと考え、せん妄発症リスクの低い睡眠 導入剤を処方したいと考えている。 (電子カルテに記載されていた他院内科からの処方内容) シタグリプチンリン酸塩錠 50 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 朝食後 14 日分 フルボキサミンマレイン酸塩錠 50 mg 1 回1 錠(1 日2 錠) 1 日2 回 朝夕食後 14 日分 (前回外来受診時の身体所見及び検査値) 血圧 126/77 mmHg、脈拍 71 拍/分、 血清クレアチニン 0.75 mg/dL、BUN 17.0 mg/dL、 eGFR 76.7 mL/min/1.73 m 2、AST 21 IU/L、ALT 20 IU/L、 γ-GTP 22 IU/L、空腹時血糖 121 mg/dL、HbA1c 6.7% 消化器外科の担当医から処方する薬剤について、せん妄対策チームに相談があっ た。チーム内の薬剤師が提案する薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
フルボキサミン併用中はラメルテオンを避け、せん妄を起こしにくいオレキシン受容体拮抗薬レンボレキサントを選びます。
解説
レンボレキサントは覚醒を維持するオレキシンOX1・OX2受容体を遮断して自然な睡眠を促し、ベンゾジアゼピン受容体作動薬よりせん妄リスクを抑えやすい選択肢です。併用薬に応じた用量調整と翌朝の傾眠には注意します。ラメルテオンもせん妄予防で検討されますが、主代謝酵素CYP1A2をフルボキサミンが強く阻害して濃度を著しく上げるため併用禁忌です。フルニトラゼパムとゾルピデムは鎮静、転倒、認知機能低下やせん妄を起こし得ます。クエチアピンは抗精神病薬で、本例のような糖尿病患者には禁忌です。
選択肢の確認
1.ラメルテオン:フルボキサミンとの併用が禁忌です。
2.フルニトラゼパム:ベンゾジアゼピン系で、せん妄・転倒に注意します。
3.レンボレキサント:正答。オレキシン受容体拮抗薬です。
4.ゾルピデム酒石酸塩:高齢者ではせん妄や転倒のリスクがあります。
5.クエチアピンフマル酸塩:糖尿病患者である本例には禁忌です。
覚えるポイント
フルボキサミン+ラメルテオンは禁忌です。高齢・せん妄リスク例ではGABA系睡眠薬の影響も考慮します。