111Q249|第111回 薬剤師国家試験 過去問
58 歳女性。 40 歳頃より肌荒れが気になり、ビタミン C 及びビタミン B6 含有サプリメントを服用している。5 年前に友人より「女性は鉄分が不足がちなの で鉄分含有サプリメントの服用が良い」と勧められ服用している。2 年前に歩行時 につまずくことが増え、かかりつけ医から紹介されて市民病院を受診したところ、 初期のパーキンソン病と診断され、処方1 による治療が開始された。しかし、最近 手指の安静時のふるえや動作のぎこちなさが目立つようになり、処方2 が追加され た。処方1 、処方2 とも、同病院の薬剤部で調剤された。 (処方1 ) プラミペキソール塩酸塩錠 0.5 mg 1 回2 錠(1 日6 錠) 1 日3 回 朝昼夕食後 14 日分 (処方2 ) レボドパ 100 mg ・カルビドパ配合錠 1 回1 錠(1 日3 錠) 1 日3 回 朝昼夕食後 14 日分 患者はその後、この治療を7 年間継続したところ、wearing-off 現象が見られる ようになった。この現象を改善する薬物の作用機序として、正しいのはどれか。 2つ選べ。
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正解: 2・5
正答
2・5
この問題のポイント
wearing-offはレボドパの効果持続時間が短くなり、次回服用前に症状が戻る現象です。線条体回路の調節とレボドパ代謝の二方向から改善薬を選びます。
解説
イストラデフィリンはアデノシンA2A受容体を遮断し、間接路の過剰な活動を調整してoff時間を短縮します。エンタカポンやオピカポンは末梢のCOMTを阻害してレボドパから3-O-メチルドパへの代謝を抑え、レボドパの利用可能時間を延ばします。これらは既存のレボドパ治療へ追加してwearing-offの改善に用いられます。一方、ドパミンD2受容体の遮断はドパミン作用を弱め、パーキンソン症状を悪化させ得ます。セロトニン受容体刺激や再取り込み阻害は、この現象を改善する代表的機序ではありません。
選択肢の確認
1.ドパミン D2 受容体を遮断する。:誤り。線条体のドパミン作用を弱め、症状悪化につながります。
2.アデノシン A2A 受容体を遮断する。:正答。イストラデフィリンの作用です。
3.セロトニン 5-HT1 受容体を刺激する。:誤り。トリプタン系などの機序で、wearing-off改善薬ではありません。
4.セロトニントランスポーターを阻害する。:誤り。SSRIなどの作用であり、本現象への標準的機序ではありません。
5.カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害する。:正答。レボドパ代謝を抑えて効果を延長します。
覚えるポイント
wearing-offには、COMT阻害薬、MAO-B阻害薬、A2A受容体遮断薬などを追加し、off時間の短縮を図ります。