111Q247|第111回 薬剤師国家試験 過去問
79 歳男性。身長 165 cm、体重 47 kg。口渇が著明で、発熱や咳嗽を主訴に 総合病院を受診し、入院後に誤嚥性肺炎と診断され、入院当日から処方1 による治 療が開始された。 (処方1 ) 点滴静注 注射用アンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウム (3 g/バック 1 バック) 3 g 1 日4 回 朝昼夕食後・就寝前 1 時間かけて投与 5 日連日投与 喀痰培養検査で、Klebsiella pneumoniae が同定され、薬剤感受性試験の結果は 以下のとおりであったが、肺膿瘍は認められなかった。 (薬剤感受性試験の結果) 抗菌薬 MIC(μg/mL) 判定 アンピシリン ≧ 32 Resistant(耐性) ピペラシリン ≧ 128 Resistant(耐性) セフトリアキソン ≦1 Susceptible(感性) タゾバクタム・ピペラシリン ≦ 16 Susceptible(感性) この結果を踏まえて、新たな抗生物質の投与により、誤嚥性肺炎は軽快に向かっ たが、軽度の舌苔が認められた。含嗽はしていたが、12 日目より口腔咽頭カンジ ダ症を発症したため、処方2 が追加となった。 (処方2 ) イトラコナゾール経口液1 % 1 回 20 mL(1 日 20 mL) 1 日1 回 空腹時 7 日分 また、食事摂取困難な日が継続していたことから、栄養摂取方法について検討が なされた。 処方1 又は2 に含まれる薬物が阻害するのはどれか。2つ選べ。
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正解: 1・3
正答
1・3
この問題のポイント
アンピシリン・スルバクタムとイトラコナゾールについて、標的となる微生物酵素を薬効群ごとに対応させます。配合剤では各成分の役割を分けて考えることが重要です。
解説
アンピシリンはβ-ラクタム系抗菌薬で、細菌のペニシリン結合タンパク質であるトランスペプチダーゼに結合し、ペプチドグリカンの架橋形成を妨げて細胞壁合成を阻害します。スルバクタムはβ-ラクタマーゼを阻害し、アンピシリンの分解を防ぐ成分です。イトラコナゾールはアゾール系抗真菌薬で、真菌のCYP51、すなわちラノステロールC-14脱メチル化酵素を阻害してエルゴステロール合成を低下させます。細菌と真菌の標的を混同しないことが判定の要点です。
選択肢の確認
1.トランスペプチダーゼ:正答。アンピシリンが阻害し、細菌細胞壁の架橋形成を妨げます。
2.Ⅱ型トポイソメラーゼ:誤り。ニューキノロン系抗菌薬の標的です。
3.ラノステロール C-14 脱メチル化酵素:正答。イトラコナゾールが阻害する真菌の酵素です。
4.1,3-β-D-グルカン合成酵素:誤り。キャンディン系抗真菌薬が阻害します。
5.スクアレンエポキシダーゼ:誤り。テルビナフィンなどが阻害します。
覚えるポイント
β-ラクタムはトランスペプチダーゼ、アゾールはCYP51、キャンディンはβ-D-グルカン合成酵素、アリルアミンはスクアレンエポキシダーゼです。