111Q237|第111回 薬剤師国家試験 過去問
45 歳男性。糖尿病で治療中である。21~30 歳までの間、化学工場で化学 物質を取り扱う業務に従事していた。血尿を自覚し泌尿器科を受診し、膀胱鏡検 査、造影 CT 及び MRI 検査により、膀胱がんと診断された。経尿道的膀胱腫瘍切 除術を施行し、筋層浸潤がんであることが確認されたため、GC 療法(ゲムシタビ ン・シスプラチン併用療法)による術前化学療法を4 コース行った後、ロボット支 援根治的膀胱全摘除術を受けることになった。 この男性が化学工場で業務中に曝露されていた可能性が高い化学物質はどれか。 2つ選べ。

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正解: 2・3
正答
2・3
この問題のポイント
実画像の構造から芳香族アミンを見分け、職業性膀胱がんとの関連が確立した化学物質を選びます。
解説
画像の構造2は、ベンゼン環の隣接位置にメチル基とアミノ基をもつo-トルイジンです。構造3は、二つの芳香環をメチレン基で結び、各環にアミノ基と塩素をもつ3,3′-ジクロロ-4,4′-ジアミノジフェニルメタン、通称MOCAです。いずれも職業曝露による尿路系、とくに膀胱がんとの関連が重要です。構造1はバルビツール酸骨格をもつ化合物で、対象となる職業性発がん物質ではありません。構造4のビス(クロロメチル)エーテルは職業性肺がん、構造5の1,2-ジクロロプロパンは印刷業で問題になった胆管がんとの対応を押さえます。構造だけでなく標的臓器まで組にして判断します。
選択肢の確認
1.選択肢1(画像参照):誤り。バルビツール酸誘導体の構造で、膀胱がんの原因物質として選びません。
2.選択肢2(画像参照):正答。o-トルイジンで、職業性膀胱がんとの関連があります。
3.選択肢3(画像参照):正答。MOCAで、膀胱がんの原因となる芳香族アミンです。
4.選択肢4(画像参照):誤り。ビス(クロロメチル)エーテルで、主に肺がんとの関連が重要です。
5.選択肢5(画像参照):誤り。1,2-ジクロロプロパンで、主に胆管がんとの関連が重要です。
覚えるポイント
膀胱がんはo-トルイジンとMOCA、肺がんはビス(クロロメチル)エーテル、胆管がんは1,2-ジクロロプロパンです。