111Q168|第111回 薬剤師国家試験 過去問
65 歳男性。悪性リンパ腫に対する化学療法実施後3 日目に 38.7 ℃ の発熱 と悪寒を認め、血液検査では好中球が 400/μL に低下していたため、発熱性好中球 減少症と診断された。広域抗菌薬による治療が開始されたが発熱は持続し、新たに 行った血液検査では血小板数が6 × 10 4/μL と急激な低下が認められたため、敗血 症性播種性血管内凝固症候群(DIC)と診断された。 敗血症の治療に用いられる薬物の作用機序に関する記述として、正しいのはどれ か。2つ選べ。
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正解: 3・4
正答
3・4
この問題のポイント
抗菌薬の標的を、葉酸代謝、D-Ala-D-Ala、30Sリボソーム、PBP、β-ラクタマーゼ、DNAジャイレースに対応させます。
解説
ピペラシリンはβ-ラクタム系でPBPを阻害し、ペプチドグリカン架橋形成を妨げます。セフトリアキソンもPBPを標的とするセフェム系で、D-Ala-D-Alaへ直接結合するのはバンコマイシンなどのグリコペプチド系です。ゲンタマイシンはアミノグリコシド系として30Sサブユニットへ不可逆的に結合し、翻訳開始やmRNA読み取りを障害します。メロペネムはカルバペネム系β-ラクタム薬でPBPへ結合します。タゾバクタムはβ-ラクタマーゼ阻害薬であり、DNAジャイレース阻害薬ではありません。
選択肢の確認
1.ピペラシリンは、ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害し、細菌の葉酸合成を抑制する。:誤り。PBPを阻害するβ-ラクタム薬です。
2.セフトリアキソンは、ペプチドグリカン前駆体のペンタペプチド末端の D-ア ラニル-D-アラニンに結合し、細菌の細胞壁合成を抑制する。:誤り。PBPを阻害します。
3.ゲンタマイシンは、細菌のリボソーム 30S サブユニットに結合し、細菌のタン パク質合成を抑制する。:正答。アミノグリコシド系の機序です。
4.メロペネムは、ペニシリン結合タンパク質に結合し、細菌の細胞壁合成を抑制 する。:正答。ペプチドグリカン架橋を阻害します。
5.タゾバクタムは、DNA ジャイレースを阻害し、細菌の DNA 複製を抑制する。 一般問題(薬学理論問題) 【薬理】:誤り。β-ラクタマーゼを阻害します。
覚えるポイント
β-ラクタム薬=PBP、バンコマイシン=D-Ala-D-Ala、アミノグリコシド=30S、タゾバクタム=β-ラクタマーゼです。