110Q293|第110回 薬剤師国家試験 過去問
50 歳男性。4 ケ月前に、僧帽弁閉鎖不全症に対して、自己の僧帽弁を温存 する僧帽弁形成術が施行された。その後、外来で経過観察を行っていたが、継続す る38 ℃台の発熱、手掌や足底に紅斑が認められ、精査目的で入院となった。入院 ゆう ぜい 時施行された経食道心エコーでは、僧帽弁周囲に疣 贅 (疣腫)が認められた。原因 微生物を同定するため血液培養検査を実施した結果、メチシリン感受性黄色ブドウ 球菌が検出されたため、感染性心内膜炎と診断された。脳膿瘍や髄膜炎の合併症は 認められなかった。主治医からの依頼があり、抗菌薬適正使用支援チームとして介 入することとなった。 (入院時検査所見) 白血球12,500/μL、CRP 7.5 mg/dL(基準値0.14 mg/dL 以下)、 Hb 15.6 g/dL、AST 25 IU/L、ALT 15 IU/L、BUN 16.3 mg/dL、 血清クレアチニン0.85 mg/dL、尿タンパク(-)、尿潜血(-) この患者の抗菌薬を用いた治療において、抗菌薬適正使用支援チームが主治医に 助言する内容として最も適切なのはどれか。2つ選べ。
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正解: 2・3
正答
2・3
この問題のポイント
感染性心内膜炎では、治療開始後も血液培養を繰り返して菌血症の消失を確認します。検体数、採取時点、治療終了条件を区別します。
解説
血液培養は汚染と真の菌血症を区別し、検出感度を高めるため、異なる部位から複数セット採取します。治療効果確認の採血は、次回抗菌薬投与の直前に行うと血中抗菌薬濃度の影響が比較的小さい条件で残存菌血症を評価できます。感染性心内膜炎は血液培養が陰性化しても疣贅内に菌が残り得るため、原因菌、弁の種類、合併症などに応じた十分な治療期間が必要です。CRPの正常化だけでも終了できません。また、感染性心内膜炎そのものを理由に指定感染症として保健所へ届け出る疾患ではありません。
選択肢の確認
1.指定感染症であるため、速やかに保健所に届出をする。:感染性心内膜炎は指定感染症ではありません。
2.治療効果確認のための血液培養検体は、複数セット採取する。:正答。複数セットで持続菌血症を評価します。
3.治療効果確認のための血液検体採取は、次回抗菌薬点滴開始直前に行う。:正答。次回投与前の採取が適切です。
4.血液培養により陰性化が確認された場合、速やかに抗菌薬治療を終了する。:陰性化後も規定期間の治療を続けます。
5.血液培養結果が陽性であっても、CRP が基準値内まで低下すれば抗菌薬治療を 終了する。:培養陽性は感染持続を示し、CRPだけで終了できません。
覚えるポイント
心内膜炎では複数セットの追跡培養、適切な採取時点、十分な治療期間の三点を押さえます。