110Q271第110回 薬剤師国家試験 過去問

69 歳男性。数日前より髪の毛が抜けやすくなり、ふけや頭皮のかゆみを自 覚した。皮膚科を受診したところ、頭部白癬と診断され、経口抗真菌薬で治療する ことになった。男性は以下の処方箋を持って、薬局を訪れた。男性の持参したお薬 手帳を薬剤師が確認したところ、現在服用中の薬剤との薬物相互作用が懸念され た。 (処方) イトラコナゾールカプセル50 mg 1 回2 カプセル(1 日2 カプセル) 1 日1 回 朝食直後 14 日分 (お薬手帳から確認された現在の服用薬) オルメサルタン口腔内崩壊錠20 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) フェブキソスタット錠20 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 朝食後 ビルダグリプチン錠50 mg 1 回1 錠(1 日2 錠) 1 日2 回 朝夕食後 ミグリトール口腔内崩壊錠50 mg 1 回1 錠(1 日3 錠) 1 日3 回 朝昼夕食直前 シンバスタチン錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 夕食後 前問で懸念された薬物相互作用を回避するために、薬剤師が皮膚科の医師に提案 する処方変更の内容として、適切なのはどれか。1つ選べ。

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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

イトラコナゾールによる強いCYP3A4阻害とシンバスタチンの併用を、投与時刻の調整ではなく抗真菌薬の変更で回避します。

解説

イトラコナゾール存在下ではシンバスタチンの代謝が抑制され、重い筋障害の危険が高まるため、単なる減量や服用時刻の分離では十分に回避できません。テルビナフィンはスクアレンエポキシダーゼを阻害して真菌のエルゴステロール合成を妨げる抗真菌薬で、イトラコナゾールのような強いCYP3A4阻害を避けて頭部白癬を治療できます。患者の併用薬を維持する条件では、この変更が適切です。

選択肢の確認

1.投与量の減量:併用自体を避けるべき組合せであり、イトラコナゾールの減量だけでは安全な回避策になりません。
2.投与タイミングの就寝前への変更:酵素阻害は長く続くため、服用時刻をずらしても相互作用は解消しません。
3.テルビナフィン塩酸塩錠への変更:正答。作用機序の異なる抗真菌薬へ替え、強いCYP3A4阻害を回避します。
4.イトラコナゾール内用液への変更:剤形を替えても有効成分とCYP3A4阻害作用は同じです。
5.ボリコナゾール錠への変更:ボリコナゾールもCYPを阻害するため、本例の相互作用回避策として不適切です。

覚えるポイント

強い酵素阻害による併用不適切例は、時間を空けるのではなく原因薬を異なる代謝特性の薬へ変更します。

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