110Q233|第110回 薬剤師国家試験 過去問
61 歳女性。肺アスペルギローマの既往。急性リンパ性白血病と診断され、 シタラビン大量療法が施行された。療法開始から15 日目に固形成分を含まない水 様性便となったため、副作用の対応として処方1 ~4 の薬剤で治療開始された。し かし、症状が悪化したことから、5 日後に糞便検体を採取して検査した結果、 toxin A 及びtoxin B が陽性であった。Clostridioides difficile 感染症の院内での拡 大を防止するため、院内のチームで対策を検討することになった。 (処方1 ) 点滴静注 メロペネム点滴静注用(1 g/バイアル 1 本)1 g 生理食塩液100 mL 1 日3 回 8 時間ごと 30 分かけて投与 7 日連日投与 (処方2 ) イトラコナゾール錠100 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 朝食直後 7 日分 (処方3 ) ロペラミド塩酸塩カプセル1 mg 1 回1 カプセル(1 日2 カプセル) 1 日2 回 朝夕食後 7 日分 (処方4 ) メトクロプラミド錠5 mg 1 回1 錠(1 日3 錠) 酪酸菌(宮入菌)製剤錠20 mg 1 回2 錠(1 日6 錠) 1 日3 回 朝昼夕食前 7 日分 この患者から広がる可能性がある院内感染症とその防止のため、薬剤師が備えて おくべき知識として、正しいのはどれか。2つ選べ。
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正解: 4・5
正答
4・5
この問題のポイント
C. difficileは芽胞を形成し、アルコールが効きにくいため、流水による物理的除去と塩素系消毒を組み合わせます。
解説
C. difficileの芽胞は環境中で長く生存し、患者便から手指や環境表面を介して糞口感染します。感染対策上は接触予防策を行いますが、主な感染経路を単に「間接伝播」とだけ分類する記述は不十分です。芽胞は消毒用エタノールや通常の低水準消毒薬に抵抗性で、手指はクレゾール石けん等の石けんと流水で十分に洗い、物理的に除去します。便座などの環境表面には適切な濃度の次亜塩素酸ナトリウムを用います。煮沸100℃・30分で芽胞を確実に滅菌できるとはいえず、食器は施設の手順に従い熱水洗浄などを行います。
選択肢の確認
1.この感染症の主な感染経路は間接伝播である。:糞口・接触感染として扱い、この表現だけでは不適切です。
2.この原因菌は芽胞を形成するので、この患者が使用した食器の消毒には煮沸消 毒(100 ℃、30 分)が有効である。:芽胞の確実な滅菌条件ではありません。
3.消毒用エタノールによる手指の消毒が有効である。:芽胞に十分な効果がありません。
4.クレゾール石けんと流水による手洗いが有効である。:正答。流水で芽胞を物理的に除去します。
5.便座等の消毒には次亜塩素酸ナトリウムが有効である。:正答。塩素系消毒薬を用います。
覚えるポイント
CDIは接触予防策、手洗いは石けん+流水、環境は次亜塩素酸Na。アルコールだけでは不十分です。