110Q209第110回 薬剤師国家試験 過去問

84 歳男性。息子と二人暮らし。長年、近隣のクリニックで高血圧症と頻 脈、アレルギー性鼻炎のため、処方1 による薬物治療を受けていた。 (処方1 ) ビソプロロールフマル酸塩錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) エバスチン錠10 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 朝食後 28 日分 1 年前の受診で、もの忘れが多く、その日の曜日が分からなくなることがたまに あり、付き添いの息子が処方医に相談したところ、神経内科の専門医を紹介され、 そこで認知症と診断された。リバスチグミンテープ4.5 mg で治療を開始し、漸増 の後、現在は処方1 とともに処方2 の薬剤の使用を継続している。 (処方2 ) リバスチグミンテープ18 mg 1 回1 枚(1 日1 枚) 1 日1 回 朝 28 日分 胸部、上腕部、背部のいずれかに貼付 (全28 枚) 今回来局した息子から、「医師には言い忘れたが、最近、服薬時や飲食・飲水時 に、むせの頻度が以前より高くなったので、誤嚥性肺炎になることを心配してい る」との相談があった。 処方2 に含まれる薬物は、下図のように、アセチルコリンエステラーゼの活性中 心のセリン残基と反応し、共有結合中間体を形成する。 CH3 H3C H CH3 N 処方2 に含まれる薬物 O N H3C O OH CH3 共有結合中間体 Ser アセチルコリンエステラーゼの 活性中心 共有結合中間体の構造として、正しいのはどれか。1つ選べ。 CH3 H3C H CH3 N CH3 H3C H CH3 N CH3 O N O O CH3 O O O Ser Ser Ser 1 2 3 CH3 CH3 H3C H3C H CH3 N H CH3 N O O N O H3C N O O CH3 CH3 O Ser Ser 4 5

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正解: 1

正答

1

この問題のポイント

リバスチグミンはカルバメート型阻害薬で、活性中心Serの酸素をカルバモイル化し、芳香族側の脱離基が外れます。

解説

アセチルコリンエステラーゼ活性中心のSer-OHがリバスチグミンのカルバメートのカルボニル炭素へ求核攻撃します。四面体中間体を経てフェノキシ側が脱離し、Ser-O-CO-N(CH3)-CH2CH3というN-エチル-N-メチルカルバモイル化酵素が残ります。公式図の選択肢1だけが、このカルバモイル基とSer酸素の結合を示します。選択肢2は芳香族エーテル化、3は基質全体を残す炭酸エステル、4・5は本来の脱離基や結合位置を誤って残した構造です。共有結合中間体の加水分解が遅いため、酵素阻害が持続します。

選択肢の確認

1.選択肢1(画像参照):正答。Ser酸素がN-エチル-N-メチルカルバモイル化されています。
2.選択肢2(画像参照):Serが芳香環側へ直接結合しており不適切です。
3.選択肢3(画像参照):芳香族部分まで共有中間体に残しており不適切です。
4.選択肢4(画像参照):カルバメート全体の結合関係が反応機構と一致しません。
5.選択肢5(画像参照):Ser酸素の結合位置が誤っています。

覚えるポイント

カルバメート型AChE阻害薬では「Ser-O-カルバモイル化」と脱離基の消失を確認します。

110Q208110Q210
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