110Q203|第110回 薬剤師国家試験 過去問
4 歳男児。体重14 kg。事故で低酸素脳症となり大学病院に入院していた が退院し、在宅で人工呼吸器と胃瘻及び導尿による管理を行っている。脳下垂体機 能不全に対しては3 ケ月に1 回、大学病院の内分泌・代謝内科を外来受診すること になっており、初回受診時に、以下の薬剤が処方された。 (処方1 ) ヒドロコルチゾン錠10 mg 1 回0.25 錠(1 日0.75 錠) 1 日3 回 朝昼夕食前 90 日分 (処方2 ) デスモプレシン酢酸塩水和物口腔内崩壊錠60 μg 1 回1 錠(1 日2 錠) 1 日2 回 10 時、22 時 90 日分 (処方3 ) レボチロキシンナトリウム水和物散0.01% 1 回0.35 g(1 日0.35 g) 1 日1 回 朝食前 90 日分 初回受診後の患者家族に対して薬局薬剤師が行う服薬指導として正しいのはどれ か。2つ選べ。
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正解: 1・4
正答
1・4
この問題のポイント
汎下垂体機能低下症では、ヒドロコルチゾンのストレス時増量と、デスモプレシンによる水中毒・低ナトリウム血症への注意が重要です。
解説
副腎皮質機能が低下した患者は、発熱や感染などの身体的ストレス時に必要なコルチゾールを増やせません。副腎クリーゼを防ぐため、あらかじめ医師から示されたシックデイルールに従ってヒドロコルチゾンを増量します。デスモプレシンは腎集合管で水再吸収を促進するため、過剰な飲水により水中毒・低ナトリウム血症を生じ、嘔吐、意識障害、痙れんなどを来すことがあります。水分量は病状と尿量に応じて医療者の指示に従います。レボチロキシンは食事や大豆などで吸収が低下し得るため、服用時刻だけでなく食事との関係も一定にします。
選択肢の確認
1.発熱時には処方1 の薬剤を増量する必要があるので、医師の指示を受けてくだ さい。:正答。発熱時はヒドロコルチゾンのストレス量が必要です。
2.幼児は成人よりも体重あたりの必要水分量が多いので、1 日合計2 L 以上の水 を薬剤と共に与えてください。:デスモプレシン使用中の強制的な多量飲水は危険です。
3.決められた服用時刻を遵守すれば、食事の時間はいつでもかまいません。:食事はレボチロキシンの吸収などに影響します。
4.痙れんや嘔吐は薬剤による副作用の可能性があるので、医師に連絡してください。:正答。低Na血症を疑う警告症状です。
5.大豆製品は処方3 の薬剤の効果を強めるので、摂らせないようにしてください。:大豆は吸収を低下させ得ます。「効果を強める」が誤りです。
覚えるポイント
ヒドロコルチゾンはシックデイ増量、デスモプレシンは過剰飲水と低Na血症に注意します。