109Q296|第109回 薬剤師国家試験 過去問
50 歳男性。喫煙20 本/日、飲酒ビール500 mL/日。5 年くらい前から会社 の健康診断にて高血糖を指摘されており、近医を受診して2 型糖尿病と診断され た。その後、食事療法と運動療法を行うも改善が認められず、以下の薬剤を服薬す ることになった。 (処方) メトホルミン塩酸塩錠250 mg 1 回1 錠(1 日2 錠) 1 日2 回 朝夕食後 14 日分 服用3 ケ月後の定期受診時に病院薬剤師は、診療録より近日冠動脈造影検査を予 定していること、しばしば軽度の低血糖症状を自覚したこと、朝食を食べないこと も多く、よく飲み忘れるとの情報を得た。身体並びに検査結果は以下のとおりであ る。 (身体並びに検査結果) 身長168 cm、体重85 kg、BMI 30.1、血圧146/90 mmHg、HbA1c 8.2%、 空腹時血糖190 mg/dL、eGFR 55 mL/min/1.73 m 2、 総コレステロール220 mg/dL、TG(トリグリセリド)180 mg/dL、 HDL︲C 54 mg/dL、LDL︲C 130 mg/dL、尿糖(+)、尿蛋白(+) 患者への服薬指導の内容として適切なのはどれか。2つ選べ。
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正解: 3・4
正答
3・4
この問題のポイント
メトホルミンでは脱水・腎機能悪化時の乳酸アシドーシスと、造影剤検査時の休薬を確認します。運転中の低血糖対応も具体的に伝えます。
解説
下痢・嘔吐、発熱、食事・水分摂取不良などのシックデイでは脱水と腎機能悪化によりメトホルミンが蓄積し、乳酸アシドーシスの危険が高まるため、一旦中止して医師へ相談します。ヨード造影剤を用いる冠動脈造影では急性腎障害を介した蓄積に備え、検査前後の休薬と腎機能再確認が必要で、継続を指示しません。単剤で低血糖は起こしにくいものの症状があるため、運転中は直ちに安全な場所へ停車し糖質を補給します。過度の飲酒は避けますが一律の完全禁酒と断定せず、食事との関係も含め個別に指導します。
選択肢の確認
1.アルコールの摂取は一切しないように再度指導した。:過度の飲酒を避けますが、一律の表現は適切でありません。
2.冠動脈造影検査前後も処方薬の服用を継続するよう説明した。:ヨード造影剤使用時は休薬を検討します。
3.下痢・嘔吐などの症状が出ていないかを確認し、服用中に出た場合、服用を一 旦中止し、医師に相談することを説明した。:正答。シックデイルールです。
4.自動車の運転時に低血糖の症状を感じた場合、速やかに安全に停車し、糖分補 給する必要があることを説明した。:正答。事故を防ぐ具体的対応です。
5.飲み忘れていた頻度を確認し、食後でないと副作用のリスクがあがるため食後 服用を説明した。:服薬状況確認は必要ですが、「食後でないと」とする説明は不適切です。
覚えるポイント
メトホルミンは脱水・造影剤・腎機能悪化・過度の飲酒で乳酸アシドーシスに注意します。