109Q283第109回 薬剤師国家試験 過去問

6 歳女児。体重20 kg。5 日前より咳嗽の症状があり、夜間に37.5 ℃程度 の微熱が続いていた。市販の解熱剤と咳止め用シロップ剤などを服用させて様子を 見ていたが、3 日前から夜になると咳が止まらなくなり、本日、38.0 ℃まで熱が 上がったため、近医を受診した。診察及び検査の結果、以下の薬剤が処方され、患 児の母親が処方箋を持って薬局を訪れた。 (処方1 ) アジスロマイシン細粒10% 1 回2.0 g(1 日2.0 g) 1 日1 回 朝食後 3 日分 (処方2 ) カルボシステインシロップ用50% 1 回0.4 g(1 日1.2 g) 1 日3 回 朝昼夕食後 5 日分 (処方3 ) ツロブテロールテープ1 mg 1 回1 枚 1 日1 回 就寝前 5 日分(全5 枚) (処方4 ) アセトアミノフェン細粒20% 1 回1.0 g 38.0 ℃以上の発熱時 5 回分 患児の母親への服薬指導にあたって、事前に処方3 のツロブテロールテープ剤に 関する医薬品情報を調べたところ、有効成分及び製剤に関して、以下の情報が得ら れた。 ツロブテロール経皮吸収型テープ 製剤断面図(模式図) 支持体 粘着性膏体 ライナー :ツロブテロール分子 :ツロブテロール結晶 有効成分 ツロブテロール CH3 N H OH H 構造式 H3C CH3 及び鏡像異性体 Cl 分子量:227.73 ・融点:90~93 ℃ ・pKa:9.74 物理化学的性質 ・分配係数(37 ℃):6.66(1︲オクタノール/pH 7.40 緩衝液) ・血清タンパク質結合率(in vitro):28.1% 上記の情報に基づいて、本製剤を患児に単回貼付して24 時間後に剥離した場合 の血清中薬物濃度の時間推移のパターンを予測したグラフとして、最も適切なのは どれか。1つ選べ。なお、小児(喘息児5 名)にツロブテロールドライシロップ剤 20 mg/kg(ツロブテロール塩酸塩として0.02 mg/kg)を経口投与した場合の体内 半減期は、インタビューフォームから3.56 時間であった。 1 剥離 血清中ツロブテロール濃度 (ng/mL) 0 0 4 8 12 24 36 48 貼付後時間(h) 2 血清中ツロブテロール濃度 剥離 (ng/mL) 0 0 4 8 12 24 36 48 貼付後時間(h) 3 血清中ツロブテロール濃度 剥離 (ng/mL) 0 0 4 8 12 24 36 48 貼付後時間(h) 4 剥離 血清中ツロブテロール濃度 (ng/mL) 0 0 4 8 12 24 36 48 貼付後時間(h) 5 血清中ツロブテロール濃度 (ng/mL) 剥離 0 0 4 8 12 24 36 48 貼付後時間(h)

109Q283の問題画像
解答・解説を見る

正解: 2

正答

2

この問題のポイント

ツロブテロールテープは結晶リザーバーから薬物を補給し、貼付中は緩やかに立ち上がって持続します。剥離後も皮膚からの吸収が残り、徐々に低下します。

解説

図の粘着性膏体には溶解したツロブテロールと結晶が共存します。皮膚へ薬物が移ると結晶が溶解して膏体中濃度を補い、貼付中の供給を持続させます。このため経口投与のような直後の鋭いピークではなく、数時間かけて血中濃度が上昇し、貼付中は広いプラトーを示します。24時間で剥離しても、皮膚内に残った薬物の吸収と約3.56時間の体内消失が重なるため瞬時にはゼロにならず、徐々に低下します。この立上がり、貼付中の持続、剥離後の緩徐な低下を示すのが図2です。

選択肢の確認

1.選択肢1(画像参照):剥離後の急激な折れ曲がりと消失が速すぎます。
2.選択肢2(画像参照):正答。緩やかに上昇・持続し、剥離後も徐々に低下します。
3.選択肢3(画像参照):剥離直後からの低下が急すぎます。
4.選択肢4(画像参照):貼付中の不連続な二段階上昇を想定する根拠がありません。
5.選択肢5(画像参照):貼付直後の鋭い高濃度ピークは経皮徐放特性と合いません。

覚えるポイント

結晶リザーバー型貼付剤はゆっくり立ち上がり、剥離後も皮膚デポのため緩やかに低下します。

109Q282109Q284
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)