109Q281第109回 薬剤師国家試験 過去問

6 歳男児。てんかん小発作の治療のため、以前からバルプロ酸Na シロッ プ5 %を服用している。進学に伴い、薬局薬剤師に服用回数を減らすことができな いかとの相談があった。この男児は、2 ケ月前に上気道炎にて受診時に、錠剤が処 方されたが服用できなかったため、散剤に変更となったと薬歴に記載されていた。 そこで、セレニカR 顆粒40% (注)の処方への変更を主治医に提案することになっ た。 (注) セレニカR 顆粒40%:1 g 中バルプロ酸ナトリウムを400 mg 含有する徐放 性顆粒 (処方) バルプロ酸Na シロップ5 % 1 回4 mL(1 日12 mL) 1 日3 回 朝昼夕食後 30 日分 提案された製剤は、以下の添加剤を含み、図のような構造をしている。この製剤 に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 添加剤: ステアリン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシビ ニルポリマー、エチルセルロース ゲル基剤 バルプロ酸ナトリウム( )を含む内核 水不溶性フィルム

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正解: 3・5

正答

3・5

この問題のポイント

図は、薬物を含む内核とゲル層を水不溶性膜で包む徐放性顆粒です。濃度勾配を保って放出し、放出後の殻は便中へ出ます。

解説

エチルセルロースは水不溶性で外側の放出制御膜に用いられ、ヒドロキシプロピルセルロースは水溶性です。カルボキシビニルポリマーは吸水して膨潤し、ゲル層を形成します。内核に固体薬物が残り内部溶液が飽和濃度を保ち、外部がシンク条件で一定なら、膜を隔てた濃度差がほぼ一定となり薬物はおおむね一定速度で放出されます。これは膜透過制御型に近く、累積放出量が時間の平方根に比例するHiguchi型マトリックス放出とは異なります。水不溶性の外殻は薬物放出後も残り、便中へ排出されることがあります。

選択肢の確認

1.水不溶性フィルムとしてヒドロキシプロピルセルロースが用いられている。:水不溶性膜は主にエチルセルロースです。
2.消化液によって膨潤するゲル基剤としてエチルセルロースが用いられている。:ゲル形成にはカルボキシビニルポリマー等が関与します。
3.製剤内部の薬物が飽和濃度で、シンク条件が保たれる間は、薬物が一定速度で 放出される。:正答。膜内外の濃度差が維持されます。
4.製剤からの累積薬物放出量の時間推移は、Higuchi 式に従う。:本製剤の基本は膜透過制御です。
5.薬物を放出した後の残渣が便中に排出される。:正答。水不溶性外殻が残ることがあります。

覚えるポイント

エチルセルロース=水不溶性膜、カルボキシビニルポリマー=膨潤ゲル、残殻は便中排出です。

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