109Q251|第109回 薬剤師国家試験 過去問
50 歳男性。会社員。人事異動で1 年前に本社の営業課長を命じられた。し かし仕事に順応できず、ストレス、不安感及び過食が3 ケ月続いた。上司のすすめ もあり心療内科を受診し、うつ病と診断され以下の処方1 で治療中である。 (処方1 ) エスシタロプラム錠20 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 夕食後 28 日分 内服開始後、特に副作用は現れていないが、十分な効果が認められないため、医 師は処方に新たに薬剤を追加して併用療法を行いたいと考えている。なお、男性は 現在排尿障害を伴う前立腺肥大症で処方2 を内服中である。 (処方2 ) デュタステリドカプセル0.5 mg 1 回1 カプセル(1 日1 カプセル) 1 日1 回 朝食後 28 日分 前問において禁忌のため用いることができないと判断された薬物は、この患者の 症状を悪化させるおそれがある。その理由はどれか。2つ選べ。
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正解: 2・4
正答
2・4
この問題のポイント
排尿は排尿筋M3受容体刺激と尿道α1受容体の弛緩で進みます。M3遮断とα1刺激は尿閉を悪化させます。
解説
膀胱排尿筋のムスカリンM3受容体が刺激されると排尿筋が収縮します。抗コリン作用のある三環系・四環系抗うつ薬がM3受容体を遮断すると排尿筋収縮が弱まり、尿が出にくくなります。またノルアドレナリン再取り込み阻害により尿道・膀胱頸部のα1受容体刺激が強まると平滑筋が収縮し、尿道抵抗が上がります。前立腺肥大で既に流出抵抗が高い患者では、これらが尿閉を誘発・増悪します。D2遮断、5-HT3遮断、アンドロゲン受容体刺激は、設問の禁忌薬に共通する直接理由ではありません。
選択肢の確認
1.ドパミンD2 受容体が遮断されるため。:排尿障害悪化の主要機序ではありません。
2.ムスカリンM3 受容体が遮断されるため。:正答。排尿筋収縮を弱めます。
3.セロトニン5︲HT3 受容体が遮断されるため。:主要な理由ではありません。
4.アドレナリンa1 受容体が刺激されるため。:正答。尿道抵抗を高めます。
5.アンドロゲン受容体が刺激されるため。:これら抗うつ薬の直接作用ではありません。
覚えるポイント
排尿困難を悪化させるのは「排尿筋を緩めるM3遮断」と「出口を締めるα1刺激」です。