109Q239|第109回 薬剤師国家試験 過去問
70 歳男性。同居している息子夫婦に付き添われて来局。20 歳の頃より喫 煙習慣があり(ブリンクマン指数:1,200)、現在も1 日に10 本程度喫煙してい る。また職業上の粉じん曝露歴があった。数年前より労作時の息切れが出現し、 徐々に症状が悪化したために近医を受診し、慢性閉塞性肺疾患(COPD)と診断さ れ、以下の処方が出された。 (処方) チオトロピウム臭化物吸入用カプセル18 μg 1 回1 カプセル 1 日1 吸入 全56 カプセル この男性は現在も喫煙を続けていることから、息子夫婦から、喫煙が健康に及ぼ す影響を父親に説明してほしいとの依頼があった。薬剤師がこの男性に対して行 う、「喫煙と健康」に関して説明する内容として適切なのはどれか。2つ選べ。
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正解: 1・5
正答
1・5
この問題のポイント
喫煙はCOPDの最大リスクで、受動喫煙にも発がん物質・循環器リスクがあります。煙成分は薬物代謝酵素も誘導します。
解説
長期喫煙はCOPDの最大の危険因子であり、禁煙は呼吸機能低下を遅らせる最重要介入です。副流煙には主流煙と同様に多数の有害・発がん物質が含まれ、受動喫煙は肺がんだけでなく虚血性心疾患・脳卒中などのリスクを高めます。健康増進法の受動喫煙対策は、他人のたばこ煙を吸わされることの防止が中心で、「能動喫煙の防止を目的」とする記述は不正確です。たばこ煙中の多環芳香族炭化水素はCYP1A2などを誘導し、テオフィリン、クロザピン等の血中濃度・効果に影響します。禁煙時には逆に酵素誘導が戻る点にも注意します。
選択肢の確認
1.COPD の最大のリスク要因は喫煙である。:正答。禁煙が進行抑制に重要です。
2.受動喫煙は虚血性心疾患や脳卒中のリスクを高める心配はない。:リスクを高めます。
3.たばこの発がん物質は主流煙に多く含まれており、副流煙にはほとんど存在し ない。:副流煙にも多く含まれます。
4.能動喫煙の防止を目的として、健康増進法が制定されている。:ここでの規制目的は受動喫煙防止です。
5.喫煙によって薬物代謝酵素が誘導され、効果に影響が出る薬もある。:正答。CYP1A2等が誘導されます。
覚えるポイント
禁煙・再喫煙でCYP1A2活性が変わるため、影響を受ける薬の用量と副作用を再評価します。