109Q207第109回 薬剤師国家試験 過去問

64 歳男性。身長168 cm、体重62 kg。血圧135/80 mmHg。飲酒習慣あ り。パーキンソン病及び高血圧症と診断され、処方1 及び処方2 の薬剤を服用中で ある。最近、パーキンソン病が進行し、wearing︲off 現象を頻回に起こすように なったため、処方3 が追加となり、患者家族が薬局に処方箋を持参した。 (処方1 ) レボドパ250 mg・カルビドパ配合錠 1 回1 錠(1 日3 錠) 1 日3 回 朝昼夕食後 14 日分 (処方2 ) アムロジピン錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 朝食後 14 日分 (処方3 ) セレギリン塩酸塩口腔内崩壊錠2.5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 朝食後 14 日分 ドパミンは、FAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)を補酵素としてモノア ミン酸化酵素B(MAOB)により代謝される。この代謝反応は、以下の図に示す機 構で進行すると考えられている。セレギリンはこの補酵素と共有結合を形成するこ とでMAOB を不可逆的に阻害する。反応①の過程でドパミンの水素アは、セレギ リンにおいては水素イに相当する。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選 べ。ただし、図中のFAD の化学構造はRとして一部省略している。 MAOB MAOB MAOB FAD Cys Cys Cys + R H R H R H N S N S N S N O N O N O NH NH NH + H3C N N H3C H H3C N H H O O O N H + H2N H2N H 水素ア HO OH HO OH HO OH ドパミン 反応① 反応② 反応③ MAOB FADH2 Cys H R N S 水素イ N O NH N H H3C CH3 H H O HN N C C H CH3 代謝物 炭素ウ セレギリン HO OH H2O 反応④

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正解: 3・5

正答

3・5

この問題のポイント

図の電子移動、イミン中間体と加水分解生成物、セレギリンのプロパルギル基の結合位置を追います。

解説

MAO-B反応では基質ドパミンが酸化される一方、FADは電子と水素を受け取ってFADH2へ還元されるので、FADは酸化剤として働きます。反応③でカテコール骨格を保ったイミンが生じ、反応④の加水分解で3,4-ジヒドロキシフェニルアセトアルデヒドとアンモニアになります。セレギリンはプロパルギル部位が反応し、図の炭素ウでFADと共有結合して不可逆阻害します。

選択肢の確認

1.反応①において、FAD は還元剤として働く。:FAD自身は還元されるため、基質に対して酸化剤です。
2.反応②は、置換反応である。:電子移動を伴う付加・酸化過程で、置換反応ではありません。
3.反応③において、カテコール骨格をもつイミンが生成する。:正答です。
4.反応④で生成する「代謝物」は、カテコール骨格をもつ第一級アミンである。:イミンの加水分解で生じるのはアルデヒドです。
5.セレギリンは炭素ウで補酵素と共有結合を形成する。:正答です。図の末端アルキン炭素がFADへ結合します。

覚えるポイント

アミン酸化は「イミン生成→加水分解でアルデヒド」、FADは酸化剤としてFADH2になります。

109Q206109Q208
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