作業療法士国家試験の出題傾向分析

作業療法士国家試験は毎回200問で、一般問題1問1点・実地問題1問3点の傾斜配点が採られています。第61回は受験者5,426人・合格者4,947人で合格率91.2%と、第60回の85.8%から5.4ポイント上昇し、直近10年のデータで最も高い水準となりました。ただしこの試験は変動が大きく、第54回には71.3%まで下がった実績があります。合格には総得点の約6割と実地問題単独のラインの両方が必要で、配点の重い実地問題を制することが合格への近道です。本記事では直近3回・600問の形式分析と10年分の合格率データをもとに、学習戦略を解説します。

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合格率と合格基準

直近の合格率91.2%第61回・受験5,426人/合格4,947
合格基準理学療法士と同方式で、一般問題1問1点・実地問題1問3点。総得点の約6割以上かつ実地問題の合格ラインの両方を満たす必要がある(第61回は総得点167点以上/278点、かつ実地43点以上/120点)。
回次実施年受験者数合格者数合格率
第61回20265,4264,94791.2%
第60回20255,6934,88785.8%
第59回20245,7364,82284.1%
第58回20235,7194,79383.8%
第57回20225,7234,60880.5%
第56回20215,5494,51081.3%
第55回20206,3525,54887.3%
第54回20196,3584,53171.3%
第53回20186,1644,70076.2%
第52回20175,9835,00783.7%

受験者数・合格者数・合格率は各実施機関の公式発表値(出典)。合格基準の詳細・最新情報は必ず公式発表をご確認ください。

直近回(第61回)の総評

第61回は合格率91.2%(受験者5,426人・合格者4,947人)で、第59回84.1%→第60回85.8%→第61回91.2%と2年連続の上昇となり、直近10年のデータでは最高値を記録しました。一方で第54回71.3%、第53回76.2%のように7割台まで落ち込んだ回もあり、10年間の振れ幅は約20ポイントに及びます。合格基準は理学療法士と同方式で、第61回は総得点167点以上(278点満点)かつ実地問題43点以上(120点満点)でした。形式面では、画像を用いた問題が第59回14問→第60回19問→第61回12問と推移し、第60回にピークを付けた後やや減少しています。「2つ選べ」などの複数選択形式は第59回22問・第60回24問・第61回23問と、毎回ほぼ一定の割合で出題されています。実地問題は1問3点で120点分、総得点の4割超を占めるため、症例の状況把握と支援の判断を問う形式への習熟が引き続き得点の鍵です。直近の合格率が高いからといって次回も易しいとは限らない試験であり、難化に耐える基礎力と実地対応力の両輪が求められます。

出題形式の統計(回次別)

回次問題数画像・図表つき5複数選択
第61回20013(7%)20023
第60回20021(11%)20024
第59回20016(8%)20022

画像・図表つき問題や複数選択形式の比率は、実際の解き味と時間配分に直結します。 比率が高い回次が続く場合は、画像問題への慣れを演習に組み込んでおくのが安全です。

合格から逆算する学習戦略

出発点は合格基準の構造理解です。第61回の基準は総得点167点以上(278点満点)に加え、実地問題単独で43点以上(120点満点)。実地は1問3点なので、総得点に占める実地の比重は4割を超えます。実地のラインを割れば総得点にかかわらず不合格となるため、学習計画は「実地で確実に基準を超える」ことを軸に組み立てましょう。序盤は基礎固めです。一般問題は1問1点ながら数が多く、ここでの網羅性が総得点の底を支えます。中盤以降は実地形式、すなわち症例文や画像から評価・支援を判断する問題の演習量を増やします。画像問題は第59回14問・第60回19問・第61回12問と毎回2桁前後出ており、検査結果や場面の画像に慣れているかどうかで解答速度が変わります。複数選択形式も第59回22問・第60回24問・第61回23問と毎回1割超を占め、全選択肢の正誤を判断できる正確な知識が要求されます。終盤は200問の通し演習で時間配分を確立しましょう。合格率は第61回で91.2%と高水準でしたが、10年間では71.3%(第54回)まで下がった回があります。直近が易しかった後こそ、難化への備えが必要です。過去問は直近3回分600問を最低ラインとして繰り返し解き、誤答の理由を言語化する使い方が効率的です。当サイトでは回別に過去問演習ができるので、実地形式や画像問題の集中トレーニングに活用してください。

よくある質問

作業療法士国家試験の合格率はどのくらいですか?

第61回は91.2%(受験者5,426人・合格者4,947人)で、直近10年のデータでは最高でした。第60回は85.8%、第59回は84.1%です。ただし10年間の幅は71.3%(第54回)から91.2%まで約20ポイントあり、回による変動が大きい試験です。高い合格率が続くとは限らない前提で、余裕を持った実力を作っておきましょう。

合格基準・ボーダーラインは何点ですか?

理学療法士と同方式で、一般問題1問1点・実地問題1問3点。総得点の約6割以上と、実地問題単独の合格ラインの両方を満たす必要があります。第61回は総得点167点以上(278点満点)かつ実地43点以上(120点満点)でした。実地だけ基準に届かない場合も不合格となるため、実地問題を苦手なまま本番を迎えるのは非常に危険です。

過去問は何年分解くべきですか?

まず直近3回分(600問)を完全に仕上げることを推奨します。画像問題12〜19問、複数選択形式22〜24問という出題形式は3回を通じて安定しており、直近回の演習が最も実戦的です。余力があれば、合格率71.3%だった第54回のような難化回も視野に入れると耐性がつきます。周回して誤答の根拠を説明できる状態を目指しましょう。

配点が最も大きいのはどこですか?

実地問題です。1問3点で、第61回は120点分と総得点278点の4割超を占めます。さらに実地には単独の合格ライン(第61回は43点)があるため、総得点対策と実地対策は別物として計画する必要があります。症例文から生活場面や支援内容を判断する形式に演習時間を厚く配分することが、最も効率のよい得点戦略です。

合格率が7割台に下がった年もあるのですか?

あります。第54回は71.3%、第53回は76.2%でした。その後は第57回80.5%、第59回84.1%、第60回85.8%、第61回91.2%と上昇基調ですが、合格基準が総得点約6割と実地ラインで決まる以上、問題が難化すれば合格率は下がります。どの難易度でも基準を超えられるよう、基礎知識の網羅と実地形式への習熟を両輪で進めることが唯一の備えです。

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