61PM004|第61回 作業療法士国家試験 過去問
45 歳の男性。交通事故による外傷性脳損傷で入院中である。運動麻痺はないが、 会話中の内容が急に変わったり、段取り良く片付けができない。 作業療法士が高次脳機能障害の有無や程度を把握するために初期に行う評価で最 も適切なのはどれか。
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正解: 3
正答
3.BADS
この問題のポイント
外傷性脳損傷後の「会話内容の急な変化」「段取りの困難」は、前頭葉機能の障害を示唆する。特に「遂行機能障害」(計画・実行・モニタリングの困難)が疑われるため、日常生活に即した遂行機能の評価が初期段階で必要となる。
解説
45歳の男性が交通事故による外傷性脳損傷で入院中で、運動麻痺はなく、会話中の内容の変化や行動の段取りの困難が見られる。これは前頭葉機能障害の典型的な臨床症状であり、特に「遂行機能障害」として認識される。作業療法士がこの高次脳機能障害の有無や程度を初期に把握するためには、日常生活の中での行動の計画・実行・モニタリング能力を評価する検査が適している。その中で、**BADS(BADS:遂行機能障害の行動評価)**は、6つの日常生活課題をもとに遂行機能を評価する検査であり、外傷性脳損傷後の前頭葉機能障害の初期評価に最も適している。
BADSは、患者が「買い物リストを立てて実行する」「家事の段取りを立てる」「時間管理をする」などの場面を模擬することで、計画力、実行力、継続性、問題解決能力を評価できる。これにより、患者の生活行動における「段取りの困難」「話の飛躍」などの症状と直接結びつけられる。
選択肢の確認
1.BIT:半側空間無視を評価する検査。運動麻痺なし、無視の症状なし → 適応外。
2.CAS:小児向けの注意機能評価。成人対象ではない → 適応外。
3.BADS:日常生活における遂行機能を評価。本症例の症状に最も一致 → 最も適切。
4.SLTA:失語症の評価。会話の飛躍は失語ではない → 適応外。
5.HDS-R:認知症のスクリーニング。高次脳機能の詳細評価には不十分 → 適応外。
覚えるポイント
「話が飛ぶ」「段取りができない」→前頭葉障害→遂行機能障害→BADSを最初に使う。日常生活の行動課題で評価できるため、初期評価に最も適したツールである。