61AM014第61回 作業療法士国家試験 過去問

45 歳の男性。会社員。入社以来、職場で問題はなかった。3 か月前に職場で上 司との関係が悪化したのを契機に不眠になり、次第に抑うつ気分、意欲低下、体重 低下、自殺念慮が出現したため入院した。入院1 か月が経過し、作業療法が開始さ れた。 この患者の症状を評価する尺度で最も適切なのはどれか。

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正解: 4

正答

4.SDS

この問題のポイント

うつ病の症状の重症度を評価する際、患者自身が自覚する感情や行動を把握することが重要です。本問では、不眠、抑うつ気分、意欲低下、自殺念慮といった典型的なうつ症状が提示されており、これらの「自己報告型」の精神症状を評価するためのスケールが適切です。

解説

この患者はうつ病の診断を強く示す臨床症状を呈しており、特に「自殺念慮」という重い精神的リスクが含まれています。作業療法においては、患者の生活機能や精神的状態を把握して介入を設計する必要があります。その中で、症状の重症度を簡便に、かつ信頼性高く評価できる尺度が求められます。

SDS(うつ性自己評価尺度)は、Zungが開発した自己記入式の20項目のスケールで、抑うつ症状の程度を数値化できます。患者が自ら自分の気持ちや行動を記述することで、治療の進展や対応の調整に活用できます。特に、入院患者においては、自己評価が治療のフィードバックに直接つながるため、最も適切です。

一方、他の選択肢は対象疾患や目的に合致しません。例えば、PANSSやLASMIは統合失調症の評価に用いられ、NPIは認知症の行動症状に焦点を当て、SF-36は生活の質(QOL)を総合的に評価するため、症状の「重症度」評価には不適切です。

選択肢の確認

1.LASMI:統合失調症の生活障害を評価するためのスケール。本症例には適用外。
2.NPI:認知症の行動・心理症状を評価するためのスケール。うつ病には不適切。
3.PANSS:統合失調症の陽性・陰性症状を評価。うつ病には使用しない。
4.SDS:うつ病の自己報告型症状を評価。本症例に最も適している。
5.SF-36:生活の質を総合的に評価。症状の重症度評価には不向き。

覚えるポイント

「うつ病の症状を評価するなら、患者が自ら感じていることから始める」。SDSは、自己評価でうつ症状の重症度を簡便に測れるため、入院患者の精神的状態評価に最も適した尺度です。作業療法では、患者の内面的状態を理解することが介入の土台になります。

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