60PM017|第60回 作業療法士国家試験 過去問
60 歳の女性。うつ病。半年前から家事はできず横になって過ごすことが増えた。 最近、悲哀感や不安感が強くなり夫に付き添われ精神科を受診したところ、不安の 軽減と活動性の向上を目的に外来作業療法が開始された。 この患者の評価に使用する非自記式の尺度で適切なのはどれか。
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正解: 2
正答
2.HAM-D〈HRS-D〉
この問題のポイント
うつ病の評価において「非自記式(他者評価式)」の尺度を選ぶかどうかを問う問題。患者が自ら記入する「自記式」ではなく、医療関係者が面接を通じて評価する尺度が適切であることを確認する。
解説
60歳の女性がうつ病を患しており、半年間家事に参加できず、現在は悲哀感や不安感が強まっている状態です。外来作業療法を受ける際の評価に「非自記式の尺度」を使用する必要があると提示されています。この場合、患者の自覚や記憶に依存せず、治療関係者が直接観察・面接で評価できる方法が求められます。
HAM-D(ハミルトンうつ病評価尺度)は、精神科医が患者と面談しながら、症状の重症度を総合的に評価するための非自記式の尺度です。特にうつ病の活動性や情緒の変化を、客観的に把握する上で有効です。本問では「不安の軽減と活動性の向上」を目的としているため、治療の進展を定期的に確認する上で、治療者による評価が重要です。
一方、他の選択肢はすべて患者が自ら回答する「自記式」です。例えば、BDI-ⅡやSDSは患者が自ら記入するため、非自記式には該当しません。L-SAS(社交不安)やSTAI(不安)も自記式であり、患者の自覚に基づく評価に限られます。
選択肢の確認
1.BDI-Ⅱ:患者が記入する自記式のうつ病評価尺度。非自記式ではない。
2.HAM-D〈HRS-D〉:検査者が面接で評価する非自記式の代表的尺度。正解。
3.L-SAS:社交不安の評価で、自記式。非自記式ではない。
4.SDS:自己評価式の抑うつ尺度で、自記式。非自記式ではない。
5.STAI:不安の評価で、自記式。非自記式ではない。
覚えるポイント
「面接で評価する=非自記式」というルールを覚える。うつ病の評価で最もよく用いられる非自記式はHAM-D。語尾に「Self-」や「自己」が含まれるものはすべて自記式。治療者の観察が重視される場合は、HAM-Dが最も適切。