60AM037第60回 作業療法士国家試験 過去問

血液透析で正しいのはどれか。

解答・解説を見る

正解: 5

正答

5.導入原因の第1位は糖尿病性腎症である。

この問題のポイント

血液透析の適応や管理において、患者の背景疾患の原因を理解することは、作業療法士が生活支援やADL(日常生活動作)の介入を計画する上で極めて重要です。特に、慢性腎不全の原因を把握することで、患者の身体的・精神的負担や生活習慣の把握に繋がり、適切な環境調整や生活指導が可能になります。

解説

日本における慢性腎不全で血液透析を開始する主な原因は、糖尿病性腎症が最も多く(約40%)報告されています。これは、長年にわたり糖尿病の進行により腎臓が損傷され、最終的に腎機能が低下した結果です。この事実を理解することは、患者の生活環境や認知機能、生活習慣の維持・改善に向けた作業療法介入の根拠になります。例えば、糖尿病管理の支援や、透析生活における生活リズムの安定化を図るための介入が可能になります。

一方、他の選択肢は臨床的に誤りです。カルシウム摂取を完全禁止するのは必要なく、むしろ低カルシウム血症のリスクがあるため適切な補給が行われることがあります。透析中の運動は禁忌ではなく、むしろ身体機能維持に効果的とされています。シャント側上肢での血圧測定は、シャントの閉塞リスクを高めるため禁忌です。また、透析患者ではエリスロポエチン産生が低下し、腎性貧血が起こるため「亢進」とは逆です。

選択肢の確認

1.カルシウム摂取を禁止する。:誤り。必要に応じて補給される場合あり。
2.透析中の運動は禁忌である。:誤り。透析中運動療法は推奨される。
3.シャント側上肢で血圧測定する。:誤り。シャント側は処置を禁忌。
4.エリスロポエチン産生は亢進する。:誤り。産生は低下する。
5.導入原因の第1 位は糖尿病性腎症である。:正しく、事実に基づく。

覚えるポイント

「血液透析の導入原因で最も多く見られるのは糖尿病性腎症」。この1文を、患者の生活環境や生活習慣の理解に活かすことで、作業療法士としての臨床判断を強化できます。

60AM03660AM038
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)