60AM008第60回 作業療法士国家試験 過去問

72 歳の男性。脳血管障害による左片麻痺。Brunnstrom 法ステージ上肢Ⅲ、手指 Ⅲ、下肢Ⅴ。回復期リハビリテーション病棟へ転棟した。病室ではベッドから起き上 がり、端座位は可能である。車椅子からベッドへの移乗動作は自力でできるが、ベッ ドから車椅子への移乗動作は触れる程度の最小介助が必要である。 この患者の病棟でのベッドから車椅子への移乗動作自立に向けた指導で適切なの はどれか。

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正解: 1

正答

1.浅く腰掛けさせる。

この問題のポイント

片麻痺患者のベッドから車椅子への移乗では、立ち上がり動作の効率化が鍵となる。体幹の前傾を容易にし、重心を前方に移動させるポジショニングが自立移乗の成功に直結する。

解説

脳血管障害による左片麻痺の患者では、健側下肢を軸にした立ち上がりが安全で効率的である。浅く腰掛けすることで、股関節の屈曲が増加し、体幹の前傾が可能になり、体重を健側に移動させやすくなる。これにより、立ち上がりに必要な筋力の負担を軽減し、自立移乗の実現が促進される。特に回復期の患者では、体位調整の正確さが動作の安定性を決定づけるため、このポジショニングは臨床的にも重要である。

選択肢の確認

1.浅く腰掛けさせる。:正しい。体幹前傾を容易にし、重心を前方に移動させるため、立ち上がりがスムーズになる。
2.麻痺側下肢を軸に回転する。:錯誤。麻痺側は筋力・感覚が低下しており、不安定なため安全ではないうえ、回転に必要な筋力も不足。
3.車椅子はベッドに平行に設置する。:錯誤。20〜45°の角度で設置することで、回転距離を短縮し、移乗が安全かつ効率的になる。
4.足部を膝より前方へ出して立ち上がる。:錯誤。足部を前方にしすぎると体重移動が阻害され、立ち上がりが困難になる。
5.ベッドの高さを車椅子より低くしておく。:錯誤。ベッドが低いと立ち上がりに必要な筋力が増加し、介助が増えるため、安全ではない。

覚えるポイント

浅く腰掛け、健側を軸、20〜45°、膝の下、同等またはやや高め」の5原則を暗記。特に「麻痺側軸」は誤りとして頻出。自立移乗のためには、体位の選択が動作の成功率を左右する。

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