59PM007|第59回 作業療法士国家試験 過去問
68 歳の女性。くも膜下出血後の四肢麻痺のため作業療法を行っている。現在、 四肢の麻痺は、ほぼ認めない。高次脳機能障害が残存しMMSE を実施した。結果 (別冊No. 1)を別に示す。 次に行う検査で最も優先されるのはどれか。

解答・解説を見る
正解: 3
正答
3.BIT
この問題のポイント
MMSEの図形模写項目(11番)が0点で、描画が著しく歪み、正五角形の重なりが正確に再現されていないことから、視空間構成能力の障害が強く示唆される。特に、半側空間無視(側空間無視)の可能性が高く、その評価を優先する必要がある。
解説
68歳の女性でくも膜下出血後の四肢麻痺は改善しており、高次脳機能障害が残存していることから、認知評価の焦点は「視空間機能」に向けられる。MMSEで図形模写が0点とされ、描画が著しく歪む(正五角形2つ重なりの模写失敗)ことから、半側空間無視の可能性が強く示される。この場合、その障害の確認と評価を目的とした標準的な検査として、**BIT(行動性無視検査)**が最も適切である。BITは線分二等分、抹消、描画、模写など9項目を用いて、視空間的無視を包括的に評価できる。特に、模写項目の失敗はMMSEと一致し、臨床的意義が高い。
一方、他の検査は評価の優先順位が低い。AMPSは日常生活動作の評価であり、MMSEの結果から直接導かれる「空間無視」の確認が先決であるため不適切。BADSは前頭葉機能(遂行機能)の評価であり、視空間障害のスクリーニングには向かない。RBMTは記憶機能の評価で、MMSEで記憶項目が比較的保たれているため優先度が低い。VPTAは視空間能力を評価できるが、BITが標準的なスクリーニング検査として優先される。
選択肢の確認
1.AMPS:日常生活動作の評価であり、空間無視の確認が先決。MMSEの模写失敗から直接導かれるため、優先度は低い。
2.BADS:遂行機能の評価で、視空間障害とは関連性が薄い。
3.BIT:図形模写の失敗から半側空間無視を強く示唆。最も適切な評価検査。
4.RBMT:記憶機能評価で、MMSEで記憶項目が保たれているため、優先度は低い。
5.VPTA 別 冊:視空間能力を評価できるが、BITが標準的で、スクリーニングとして優先される。
覚えるポイント
「MMSEの図形模写が0点 → 視空間障害 → 半側空間無視 → BITを優先」
この流れを暗記することで、高次脳機能障害の評価において「どの検査が最初に必要か」を迅速に判断できる。