116A085|第116回 歯科医師国家試験 過去問
19 歳の女性。咬み合わせのずれと口唇が閉じにくいことを主訴として来院し た。診断をした結果、4 、5 、4 、4 の抜歯を伴うマルチブラケット装置を用い た矯正歯科治療を行うこととした。初診時の顔面写真(別冊No. 35A)、口腔内写 真(別冊No. 35B)及びエックス線画像(別冊No. 35C)を別に示す。セファロ分析 の結果を図に示す。 適切な治療目標はどれか。4 つ選べ。

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正解: b・c・d・e
正答
b、c、d、e
この問題のポイント
抜歯を伴う矯正治療では、口元、歯列正中、前歯歯軸、大臼歯関係を改善し、骨格性指標を不必要に悪化させない目標を立てます。
解説
症例は口唇閉鎖困難と咬み合わせのずれがあり、抜歯空隙を利用して前歯を後退・配列する治療です。治療目標には、口元の突出感の軽減、上下顎歯列正中線の一致、適正な前歯歯軸と上下顎中切歯歯軸傾斜角の増加、両側Angle I級大臼歯関係の確立が含まれます。
ANB角は上下顎骨の前後関係を示す骨格性指標であり、歯性治療で増加させることは目標ではありません。
症例問題の解き方
主訴、抜歯部位、正中偏位、口唇突出、臼歯関係、前歯歯軸を確認します。
画像の確認
実画像では、側貌に口唇突出、口腔内に歯列正中の不一致と前歯唇側傾斜があり、セファロ分析でも上下前歯歯軸の突出傾向が示されている。抜歯空隙で口元・正中・切歯歯軸・大臼歯関係を整える目標に当たる正答b、c、d、eを支える。
選択肢の確認
a.ANB 角の増加
治療目標として適切ではありません。
ANB角の増加は上下顎骨の前後的不調和を大きくする方向となり、治療目標ではありません。
b.口元の突出感の軽減
正答。適切な治療目標です。
抜歯空隙を利用して前歯を後退させ、口唇閉鎖と口元の突出感を改善します。
c.上下顎歯列正中線の一致
正答。適切な治療目標です。
歯列の左右的不調和を改善し、上下顎歯列正中線を一致させることが目標です。
d.上下顎中切歯歯軸傾斜角の増加
正答。適切な治療目標です。
前歯の過度な唇側傾斜を改善して上下切歯歯軸のなす角を適正に増加させます。
e.両側Angle I 級の大臼歯関係の確立
正答。適切な治療目標です。
機能的で安定した咬合を得るため、両側Angle I級の大臼歯関係を確立します。
覚えるポイント
- ANB角は骨格性指標です。
- 抜歯治療では口元と前歯歯軸を改善します。
- 正中一致と両側Angle I級関係も重要な目標です。