38AM55|第38回 臨床工学技士国家試験 過去問
図の回路で 10 kΩ の抵抗に流れる電流の大きさ[mA]はどれか。 ただし、A は理想演算増幅器とする。

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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、理想演算増幅器の基本性質を使って、帰還抵抗に流れる電流を求めます。
図の回路は、出力から反転入力へ 10 kΩ の抵抗で負帰還がかかっており、反転入力から接地へ 1 kΩ の抵抗が接続されています。非反転入力には 2 V が加えられています。
理想演算増幅器で負帰還が成立しているときは、次の2点が重要です。
- 入力端子には電流が流れない
- 反転入力端子と非反転入力端子の電位は等しい
これを仮想短絡またはバーチャルショートといいます。
図で見るポイント
非反転入力端子は 2 V に接続されています。負帰還があるため、反転入力端子の電位も 2 V とみなせます。反転入力端子には電流が流れ込まないので、1 kΩ を流れる電流と 10 kΩ を流れる電流の大きさは等しくなります。
解説
理想演算増幅器では、入力インピーダンスが無限大とみなされます。
そのため、反転入力端子にも非反転入力端子にも電流は流れません。
また、この回路では出力から反転入力へ 10 kΩ の抵抗で負帰還がかかっています。
したがって、理想演算増幅器の性質より、
- 非反転入力端子の電位 = 2 V
- 反転入力端子の電位 = 2 V
となります。
反転入力端子から接地までは 1 kΩ の抵抗でつながっています。
よって、1 kΩ の抵抗に流れる電流は、オームの法則より次のように求めます。
- I = V / R
- I = 2 V / 1 kΩ
- I = 2 V / 1000 Ω
- I = 0.002 A
- I = 2 mA
理想演算増幅器の入力端子には電流が流れないため、この 2 mA はそのまま 10 kΩ の帰還抵抗を流れる電流と同じ大きさになります。
したがって、10 kΩ の抵抗に流れる電流の大きさは2 mAです。
別の確認として、出力電圧を求めることもできます。
この回路は非反転増幅回路として見られるため、電圧利得は次のようになります。
- 利得 = 1 + 10 kΩ / 1 kΩ
- 利得 = 11
非反転入力が 2 V なので、
- 出力電圧 = 11 × 2 V
- 出力電圧 = 22 V
10 kΩ 抵抗の両端電圧は、
- 22 V - 2 V = 20 V
したがって、
- I = 20 V / 10 kΩ
- I = 20 V / 10000 Ω
- I = 0.002 A
- I = 2 mA
どちらの考え方でも、答えは2 mAになります。
ひっかけポイント
10 kΩ の抵抗だからといって、2 V / 10 kΩ としてはいけません。
2 V が直接かかっているのは、反転入力端子から接地へつながる 1 kΩ 抵抗です。10 kΩ 抵抗には、出力電圧と反転入力端子電圧の差がかかります。
国家試験ではここを押さえる
演算増幅器の問題では、まず負帰還があるかを確認します。負帰還があり、理想演算増幅器として扱う場合は、入力電流 0と反転入力電位 = 非反転入力電位を使います。
選択肢の確認
1.誤り。
1 mA ではありません。反転入力端子の電位は 2 V であり、1 kΩ 抵抗に流れる電流は 2 V / 1 kΩ = 2 mA です。理想演算増幅器の入力には電流が流れないため、10 kΩ 抵抗にも 2 mA が流れます。
2.正しい。
非反転入力が 2 V なので、仮想短絡により反転入力も 2 V です。1 kΩ 抵抗には 2 mA が流れ、入力端子には電流が流れないため、10 kΩ 抵抗に流れる電流の大きさも 2 mA です。
3.誤り。
3 mA にはなりません。抵抗比や出力電圧を考慮しても、10 kΩ 抵抗の両端電圧は 20 V であり、流れる電流は 20 V / 10 kΩ = 2 mA です。
4.誤り。
4 mA ではありません。1 kΩ 抵抗にかかる電圧は 2 V なので、反転入力節点から接地へ流れる電流は 2 mA です。
5.誤り。
5 mA ではありません。理想演算増幅器の仮想短絡と入力電流 0 を使うと、10 kΩ 抵抗の電流は 2 mA と求まります。
覚えるポイント
- 理想演算増幅器では、入力端子に電流は流れません。
- 負帰還がある理想演算増幅器では、反転入力端子と非反転入力端子の電位は等しいとみなします。
- この回路では、反転入力端子の電位は 2 Vです。
- 1 kΩ 抵抗の電流は、2 V / 1 kΩ = 2 mAです。
- 入力端子に電流が流れないため、10 kΩ の帰還抵抗に流れる電流の大きさも 2 mAです。