あん摩マッサージ指圧師国家試験の出題傾向分析

あん摩マッサージ指圧師国家試験は、東洋医学の理論・経穴から現代医学の臨床知識、手技理論までを問う全160問の試験です。1問1点・160点満点で96点以上(6割)という絶対基準で、総得点のみで合否が判定されます。直近の第34回は受験者1,070人・合格者910人で合格率85.0%と、例年どおり8割台の高い水準を維持しました。ただし合格率の高さは試験が易しいことを意味しません。臨床医学(第34回36問)を筆頭に8科目がバランスよく配置され、東洋医学系と現代医学系の双方で6割を積み上げる総合力が求められます。科目間の出題数は回ごとに小さく変動するため、特定科目に依存しない学習が安全です。

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合格率と合格基準

直近の合格率85%第34回・受験1,070人/合格910
合格基準1問1点・合計160点満点で総得点96点以上(満点の6割)の絶対基準。総得点のみで判定される(第29回から150点満点→160点満点に変更)。
回次実施年受験者数合格者数合格率
第34回20261,07091085%
第33回20251,1601,01187.2%
第32回20241,10993284%
第31回20231,2961,14888.6%
第30回20221,2781,08284.7%
第29回20211,2951,08984.1%
第28回20201,4321,21384.7%
第27回20191,4981,30086.8%
第26回20181,5841,31583%
第25回20171,6031,35484.5%

受験者数・合格者数・合格率は各実施機関の公式発表値(出典)。合格基準の詳細・最新情報は必ず公式発表をご確認ください。

直近回(第34回)で出題が変化した分野

▼ 減少臨床応用・症例治療第34回: 11(それ以前の平均 16問)

直近回(第34回)の総評

第34回は受験者1,070人・合格者910人・合格率85.0%でした。第33回の87.2%からはやや低下したものの、第32回84.0%、第31回88.6%と、掲載している10回分すべてで83.0%〜88.6%の範囲に収まっており、合格率は極めて安定しています。科目別の出題数には毎回小さな変動があります。最大科目の臨床医学は第33回31問→第34回36問と5問増加し、全体の2割超を占めました。逆に東洋医学概論は26問→21問、臨床応用・症例治療は18問→11問と減少し、経絡経穴は16問→22問と大きく増えています。基礎医学は3回連続22問で完全に固定、衛生・公衆衛生・関係法規も14〜15問で安定しており、あん摩マッサージ指圧理論は13問→14問→15問と微増傾向です。テーマ別では臨床医学の疾患各論が3回計51問と突出し、臨床応用・症例治療の運動器疾患が36問、東洋医学概論の弁証論治が31問で続きます。画像問題・複数選択形式は直近3回で出題されておらず、全問が文章ベースの単一解答です。科目間の変動を踏まえると、特定の配点を当て込むのではなく、全科目で取りこぼしを減らす学習が最も確実です。

頻出分野ランキングと分野別対策

  1. 臨床医学毎回平均 34問(全体の21%)

    第34回36問・第33回31問・第32回35問、3回計102問と全科目中最大のボリュームです。中心は疾患各論(34AM47ほか3回計51問)で、単一テーマとして全試験を通じて最多。診察・臨床検査(15問)、症候学(15問)、症例問題(10問)がこれを取り囲みます。学習の軸は、疾患ごとに好発・症候・鑑別点を整理し、症候から疾患を推定する臨床推論の型をつくることです。34AM79〜34AM80のような症例問題では、この推論力が直接試されます。基礎医学の解剖・生理・病理の知識が土台になるため、基礎を終えてから各論に入る順序を守ってください。全体の2割超を占める科目であり、ここを得点源にできるかどうかが合否の分水嶺になります。

  2. 東洋医学概論毎回平均 24問(全体の15%)

    第34回21問・第33回26問・第32回25問、3回計72問の第2科目です。最頻出は弁証論治(34PM128ほか3回計31問)で、症候の組み合わせから証を導き、治療方針につなげる力が問われます。基礎理論(34PM81ほか17問)も安定して出題されており、陰陽五行・蔵象・気血津液の体系的理解が前提です。弁証論治の問題は、基礎理論が曖昧なままでは選択肢を絞り切れないため、「基礎理論→病因病機→弁証」の順に積み上げる学習が不可欠です。証ごとの症候パターンを表で整理し、代表的な症候の組み合わせから即座に証を言えるレベルまで反復してください。経絡経穴や臨床応用・症例治療の東洋医学的な問題とも直結する、東洋医学系の中枢科目です。

  3. 基礎医学毎回平均 22問(全体の14%)

    3回連続22問と完全に固定された、現代医学系の土台科目です。内訳も安定しており、解剖学(34AM15ほか3回計24問)と生理学(34AM23ほか24問)が同数で並び、病理学(18問)が続きます。この科目の価値は22問という枠にとどまりません。臨床医学の疾患各論・症候学、リハビリテーション・生活支援、あん摩マッサージ指圧理論の体表反応・刺激受容まで、現代医学系のあらゆる問題が解剖・生理の理解を前提とします。特に運動器の解剖(筋・骨・神経支配)は、経絡経穴の取穴法とも接続する要の知識です。学習の最序盤に置き、筋骨格系・神経系・内臓系を体系的に固めてください。ここでの投資は全科目に波及します。

  4. 経絡経穴毎回平均 19.3問(全体の12%)

    第34回22問・第33回16問・第32回20問と、第34回に大きく増加した科目です。最頻出は取穴法(34PM97ほか3回計19問)で、経穴の位置を体表指標から正確に特定させる問題が中心。経脈流注・経脈病証(16問)、要穴(12問)がこれに続きます。純粋な暗記科目に見えますが、経脈の流注と病証の対応、要穴の性質と運用は東洋医学概論の弁証論治や臨床応用の配穴問題を解く前提知識であり、実質的な影響範囲は22問より広いと考えるべきです。経穴は経脈ごとの流注順で覚え、要穴は横断表で整理する二本立てが定石です。毎日短時間の反復と相性が良いため、学習初期から試験直前まで継続的に回し続けてください。

  5. リハビリテーション・生活支援毎回平均 18問(全体の11%)

    第34回19問・第33回19問・第32回16問、3回計54問と安定した中堅科目です。内訳は神経リハビリテーション(34AM65ほか3回計16問)が最多で、運動器リハビリテーション(13問)、リハビリテーション総論(10問)が続きます。脳血管障害や脊髄損傷後の機能回復、関節可動域や筋力の評価、日常生活動作の支援といった、施術対象者の機能を評価・支援する視点が問われます。臨床医学の神経・運動器疾患、基礎医学の解剖学と内容が重なるため、これらとセットで学習ブロックを組むと効率的です。毎回16〜19問という規模は無視できない配点であり、評価法と主要疾患別リハの枠組みを過去問ベースで固めれば、安定した得点源になります。

  6. 衛生・公衆衛生・関係法規毎回平均 14.3問(全体の9%)

    毎回14〜15問で安定した暗記系科目です。内訳は関係法規(34AM11ほか3回計13問)と健康づくり・産業保健・疫学(34AM8ほか10問)が柱です。関係法規では自身の資格の根拠となるあはき法の免許・業務・広告制限などの規定が中心で、正確な条文知識が問われます。衛生・公衆衛生分野は制度や統計・疫学の基礎知識で、範囲は広いものの過去問で頻出項目を絞れば効率よく対策できます。試験の冒頭に配置される科目のため、ここで確実に得点して精神的な余裕をつくる意味でも仕上げておきたい領域です。直前期の集中学習が利きやすく、投下時間あたりの得点効率は全科目でも上位に入ります。

  7. 臨床応用・症例治療毎回平均 14.3問(全体の9%)

    第34回11問・第33回18問・第32回14問と、回ごとの変動が最も大きい科目です。中心テーマは運動器疾患への施術(34PM113ほか3回計36問)で、肩・腰・膝など日常臨床で頻度の高い障害に対する治療法の選択と組み立てが問われます。この科目は知識の総合格闘技です。臨床医学で疾患を理解し、東洋医学概論で証を立て、経絡経穴で治療穴を選び、手技理論で刺激法を決める、という全科目の知識を症例の上で統合する力が試されます。したがって独立した対策よりも、他科目の仕上がりを確認する演習として活用するのが正しい位置づけです。出題数が11〜18問と振れる分、ここに依存しない得点計画を立てつつ、終盤の総仕上げとして症例演習を重ねてください。

  8. あん摩マッサージ指圧理論毎回平均 14問(全体の9%)

    第34回15問・第33回14問・第32回13問と微増傾向にある、職種の核となる理論科目です。頻出は基本手技(34PM94ほか3回計15問)と体表反応・刺激受容(34PM108ほか12問)です。あん摩・マッサージ・指圧それぞれの手技の特徴と適応、手技刺激が生体に及ぼす神経性・体液性の反応機序が二本柱で、後者は基礎医学の生理学と地続きの内容です。手技の分類や施術原則は暗記で対応できますが、刺激受容と生体反応は機序の理解が問われるため、生理学の復習と合わせて学ぶと定着が違います。範囲が明確で過去問の再現性が高く、毎回13〜15問を安定して取れる科目です。実技で身につけた感覚を理論の言葉で説明し直す意識で学習してください。

分野別の出題数(全収録回の合計)

臨床医学102(21%)
東洋医学概論72(15%)
基礎医学66(14%)
経絡経穴58(12%)
リハビリテーション・生活支援54(11%)
衛生・公衆衛生・関係法規43(9%)
臨床応用・症例治療43(9%)
あん摩マッサージ指圧理論42(9%)

分野×回次のクロス集計

分野第34回第33回第32回合計
臨床医学363135102
東洋医学概論21262572
基礎医学22222266
経絡経穴22162058
リハビリテーション・生活支援19191654
衛生・公衆衛生・関係法規14141543
臨床応用・症例治療11181443
あん摩マッサージ指圧理論15141342

頻出テーマ TOP10

  1. 臨床医学疾患各論51
  2. 臨床応用・症例治療運動器疾患36
  3. 東洋医学概論弁証論治31
  4. 基礎医学解剖学24
  5. 基礎医学生理学24
  6. 経絡経穴取穴法19
  7. 基礎医学病理学18
  8. 東洋医学概論基礎理論17
  9. リハビリテーション・生活支援神経リハビリテーション16
  10. 経絡経穴経脈流注・経脈病証16

出題形式の統計(回次別)

回次問題数画像・図表つき4複数選択
第34回1600(0%)160
第33回1600(0%)160
第32回1600(0%)160

画像・図表つき問題や複数選択形式の比率は、実際の解き味と時間配分に直結します。 比率が高い回次が続く場合は、画像問題への慣れを演習に組み込んでおくのが安全です。

合格から逆算する学習戦略

合格基準は160点満点中96点以上の絶対基準で、総得点のみの判定です。合格率が3回連続8割台という数字を見ると易しく感じられますが、8科目すべてで着実に積み上げた受験者が多数派を占める結果と読むべきで、対策の手を抜く理由にはなりません。学習の骨格は二系統の並行です。現代医学系は基礎医学(毎回22問で固定)を起点に、臨床医学(3回計102問)、リハビリテーション・生活支援(54問)へと積み上げます。東洋医学系は東洋医学概論の基礎理論から弁証論治へ進み、経絡経穴(第34回22問)を暗記科目として早期から継続的に回します。この二系統が揃った段階で、臨床応用・症例治療とあん摩マッサージ指圧理論を仕上げ、全知識を症例の上で統合するのが終盤の課題です。優先度の判断材料として、テーマ別の出題数が役立ちます。臨床医学の疾患各論が3回計51問、臨床応用の運動器疾患が36問、東洋医学概論の弁証論治が31問と、この3テーマだけで相当な比重を占めます。逆に言えば、疾患各論・運動器・弁証論治を軸に据えた学習が最も配点効率が高いということです。注意したいのは科目間の変動です。東洋医学概論が26問から21問へ、臨床応用が18問から11問へ動くなど、回ごとに数問単位の増減があるため、特定科目に得点を依存する計画は危険です。全科目で6〜7割を確保し、得意科目で上積みする全体底上げ型が、この試験の構造に合っています。過去問は3回分・計480問を最低2周。1周目は科目別で弱点を特定し、2周目は160問通しで時間配分を確認します。演習の目標は7割超の安定です。本サイトでは科目別・テーマ別に過去問演習ができます。

よくある質問

あん摩マッサージ指圧師国家試験の合格率はどのくらいですか?

直近の第34回は受験者1,070人・合格者910人で合格率85.0%でした。第32回84.0%、第33回87.2%、第34回85.0%と直近3回はいずれも8割台で、掲載している10回分すべてが83.0%〜88.6%の範囲に収まる、非常に安定した試験です。ただし受験者は第25回の1,603人から第34回の1,070人へと減少傾向にあり、養成課程でしっかり学んだ受験者が大半を占めることが高い合格率の背景にあります。

合格基準・ボーダーラインはどうなっていますか?

1問1点・合計160点満点で、総得点96点以上(満点の6割)の絶対基準です。科目別の基準はなく、総得点のみで判定されます(第29回から150点満点が160点満点に変更されました)。ボーダーが動かないため目標は明確ですが、本番の緊張や科目間の出題数変動を考慮すると、過去問演習では112点前後(7割)を安定して取れる状態を目指すのが安全です。

過去問は何年分解くべきですか?

まず直近3回分・計480問の完全消化が基本です。基礎医学が3回連続22問、衛生・公衆衛生・関係法規が14〜15問など科目構成は安定しており、過去問がそのまま本番の縮図になります。特に疾患各論(3回計51問)、運動器疾患への施術(36問)、弁証論治(31問)の3大テーマは反復出題の核であり、最低2周、この3テーマは3周する価値があります。1周目は科目別、2周目は160問通しの使い分けが効果的です。

最も配点が大きい分野はどこですか?

臨床医学が第34回36問・3回計102問で最大です。第2位は東洋医学概論(3回計72問)、第3位は基礎医学(同66問)で、経絡経穴(58問)、リハビリテーション・生活支援(54問)が続きます。テーマ単位では臨床医学の疾患各論が3回計51問と突出しています。ただし東洋医学概論は第33回26問→第34回21問、経絡経穴は16問→22問と回ごとの変動があるため、上位科目に絞り込みすぎず全科目を底上げする戦略が確実です。

東洋医学系と現代医学系はどちらを優先すべきですか?

配点上は現代医学系がやや優勢です。臨床医学102問・基礎医学66問・リハビリテーション54問に対し、東洋医学概論72問・経絡経穴58問・あん摩マッサージ指圧理論42問(いずれも3回計)です。ただし臨床応用・症例治療(43問)は両系統の統合問題であり、どちらかを捨てる選択肢はありません。順序としては、暗記の維持が必要な経絡経穴を早期に始めて継続しつつ、基礎医学→臨床医学、東洋医学概論の基礎→弁証論治という二系統を並行させるのが現実的です。

回次ごとの収録問題数

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